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決して折れない絆の悪魔
出会い
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な顔をするエミザーダに案内されて一同は研究所の第3世代型研究部門へと通される。そこには宛らロボットアニメに出てくる整備ドックのような空間、ISの腕部や脚部のパーツが納められつつも逐次データが取られており改良に改良が重ねられ続けている。一夏は瞳を輝かせて興味津々といった様子で周囲を見回すのに対してミカはふーんと僅かに湧き上がっている興味に流されるようにデーツをおやつのようにポリポリと食べつつパーツなどを見ている。

「どうお母さん!?」
「ふむ……それは如何にも腕部の装甲が大きすぎるわね、削れないの?」
「ああ〜……あれは補助ブーストを兼任しているからあれ位ないと駄目なのよ」
「でもこれじゃ駄目、邪魔になりすぎて直線的な速度しか上がらない。本末転倒だ」
「あちゃ〜……手厳しいけど参考になるから困るなぁ〜」

サムスは早速エミザーダが今現在製作中のパーツを自ら装着して総評を開始した。既に退役している身といっても動かし方は身体に染みついているのでまったくもって無問題、それどころか現役の国家代表よりもよく動いている気がする。試験用のISで軽々と宙返りをしたりしている。

「……?」
「どうしたんだミカ?」
「こいつ」

少々飽きてきたのは適当に流し見をしていたミカだがある物を見た途端足を止めた、それを心配するように一夏が近寄る声をかけると目の前のものに目を奪われていた。人間の骨を全て鉄に置き換えたかのような骨組、頭部は鋭角で水平に伸びている二本の角は何処か悪魔のようにも見える。もう一つの方は背中に大きな翼を背負った天使にも見える。

「気になる?えっと三日月だっけ」
「うん、こいつは?」
「これが今うちで開発中の第3世代型ISよ、従来のISとは違って原点回帰したの。これは全身装甲(フルスキン)型で外付けに武器を付ける事で拡張領域を大幅に開けることに成功させつつ段違いの性能にする予定よ」
「名前は、あるんでしょ」
「うーん開発コードはあるんだけど個体名称はまだなのよね」

説明を受けて一夏はへっ〜と言葉を漏らす、だがミカはそんな事聞いていなかった。名前がないと言っていたのにこのISは自らの名前を声高に叫んでいるように思えた、そして街灯に誘われる虫のように、それに引き寄せられるようにミカはゆっくりと近づいて行った。

「こいつ、バルバトス…」
「えっ?バルバ?」
「バルバトスって言うのか、お前…?」

問いかけるようにそっと呟きつつフレームだけのそれに触れると接続されている機器がアラート音を吐きだした。エミザーダは機器に飛びつくように画面を確認するとそこに表示されているのは起動完了という文字が浮かび上がっていた。

「ウ、嘘起動してる!?起動テストだってまだしてないしメインシステムだって不完全なのに!?って、
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