暁 〜小説投稿サイト〜
エターナルユースの妖精王
小犬座の星霊
[2/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ろう。
けれど、ダメだ。本当に大切なら、本当にあの中にいたいと思うなら、言い訳にしてはいけない。そんな事も解らずに彼女を言い訳にしていた自分を思い出せ。それで、そのせいで、何が起きたのか。

――――忘れるなんて、許していない。
――――お前のせいで、オレのせいで、アイツは。




「…カタリナ……」

――――オレがいたから、甘えていたから。
――――彼女を言い訳になんて、していたから!!!







「ニア、いる!!?」

どんどん、とノックにしては荒っぽい音が意識を引き戻した。
はっとして部屋のドアに目を向ける。今の声は間違いなくアイツで、こんな早くから何の用かと首を傾げた。というかこっちはまだ朝食どころか部屋着なのだが。パーカーすら着ていないのだが。

「仕方ねえだろ、諦めろよルーシィ。約束は守るんだろ?」
「それはきちんとした約束の場合よ!!あんな、騙すみたいな手は約束にならないでしょ普通!!!」
「屁理屈だ」
「うっさい!!!」

部屋の前に大集合していた。もう訳が解らない。
ただとりあえず一つ、ニアにはやるべき事があった。騙すってどういう事だオラア、とナツを蹴り飛ばす事、ではない。
その場から一歩も動かず、目はドアに向けて、すっと息を吸う。

「何の用か知らないが部屋の前で騒ぐな迷惑だ!!!あと今から着替えるから五分待て!!!」






時は少しだけ遡る。まだニアが熟睡していた頃だ。

「いいトコ見つかったなあ」

商業都市マグノリアの一角、商店街の近く。密集する建物の一つの一室が、ルーシィが住む事になった場所だった。家賃は七万Jと少々高い。
その部屋のバスルームで、湯船に浸かるルーシィはぐっと腕を上に伸ばしていた。

「七万にしては間取りも広いし、収納スペース広いし。真っ白な壁、木の香り、ちょっとレトロな暖炉に、竈までついてる!そして何より一番素敵なのは……」

風呂を上がり、念入りに髪を拭く。バスタオルを巻いただけの格好で部屋へ出ていき、一人暮らしには十分すぎるくらい広いリビングへと―――

「よっ」
「あたしの部屋―――――!!!」

呼んだ覚えのない奴等がいた。思わず叫ぶ。
我が物顔でソファに腰かけ、スナック菓子をあちこちに零しながら手を上げるナツと、テーブルの上で魚を頬張るハッピー。もう一度言うが、部屋に招いた覚えは一切ない。
テーブルの上でグラスが倒れて中身を撒き散らしているわ、魚の骨が綺麗に魚の形を維持したまま置かれているわ、ぐしゃぐしゃに丸めた紙が二つと勝手に持ち出したのか本が一冊、更にナツが零したお菓子と大惨事である。

「何でアンタ達がいるのよー!!!!」
「まわっ」

容赦なんてない。バスタ
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ