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相良絵梨の聖杯戦争報告書
米国大使館対盗聴防止貴賓室
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については、今まで通り私を通して頂けると助かります」

 撃墜なんて派手なことをやってくれたから、多分国防総省系の組織じゃないかと私は疑っている。
 で、そことCIAはとにかく仲が悪い。
 閑話休題。
 とりあえず話は終わった。

「そういえば、遠坂凛の取り込みには成功しましたか?」

 帰る前に軽く触れてみる。
 のこのこと出てきた彼女に対して、アンジェラ書記官は札束をちらつかせての勧誘をしたらしいが首を縦には振らなかったらしい。
 金額を聞いてみたら、たしかに一般人には大金だが、寝返るほどの額ではなかったと苦笑する。

「ダメですよ。
 アンジェラ書記官。
 彼女の使う宝石魔術ってとにかくお金がかかりますから。
 数億では寝返りませんよ。
 桁二つほどあげて交渉してください」

「戦闘機一機で戦術核が買えるのでしたら、安い物ですか。
 これも情報機関共同体に話を通さないといけない案件になりそうで頭がいたいわ」

「はやく話を通しておかないと、他の組織に掻っ攫われますよ。
 既に、こちらもいくつかの組織らしいエージェントが入っているらしい情報は掴んでいます。
 お早めに」

 またせた車に乗る前に、アンジェラ書記官が私の耳元で囁く。
 どうやら、先程までの楽しい会話のお礼らしい。

「こっちが掴んでいるのは、中東のテロ組織、ナチの残党、東側の亡霊、中華よ
 また来てちょうだいね。
 ミス神奈」

 車が走り出して、私は大使館を出てからため息をつく。
 テロ組織と中華については情報は来ていたが、ナチの残党と東側の亡霊については初耳だった。
 帰ったら、若宮分析官に話をあげておかないといけない。

「やっぱり、覇権国家は違うなぁ……」 
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