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宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 5
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『沖田君、冥王星のガミラス基地を攻略したそうだな。ありがとう、これで我々は遊星爆弾に怯えることもないだろう』

「いや、私は何もしておらんよ。クルーがよくやってくれた。おかげで随分楽をさせてもらっている。我々のような年寄りの出番はないかもしれんな」

『そうか。ところで副長の永井君はどうしたのかね?』

「クルーのメンタルチェックを始めたのでな、艦内を歩き回っておる。大きな戦いの後だ。若いクルーの中には精神に負担がかかっている者がいるらしくてな。派手な操艦に、わざと被弾したりと不安を煽りすぎたようだ。カウンセリングまがいのこともやっている。多芸多才で中々の働き者だ」

『席を外しているのか。土方君から伝言を預かっていたのだが』

「私が預かっておこう」

『頼むよ。資産整理の方が終わって、例の手配も終わった。だから必ず戻れだそうだ』

「伝えておこう。例の手配とは酒宴のことだろう。出港直前にそんなことを言っていたな」










「赤道祭か」

「意外とクルーのストレスが溜まっているようです。肝の座っているのが艦全体の1割ってところですね。女性の比率も高いですし。ここらで一度発散させないとまずそうです。何か口実を探したところ、ヘリオトロープを赤道に見立てた赤道祭を催すのが最適だと判断しました。それにヘリオトロープを超えると地球との通信も不可能になります。それに合わせて赤道祭開催中は地球への通信を時間制限ありですが許可を出します。個人的には里心が付きそうで避けたいんですがね。瀬川君は許可を出したほうが良いと」

「ふむ、許可しよう。通信長と主計長と打ち合わせ後に計画書を提出したまえ」

「了解です。嫌なものですね、これしきで堪える若者を戦場に連れて行くのは」

「……副長は気付いているのだろう。ヤマトの乗員の意味を」

「……ヤマト計画の達成がなされなかった時、あるいは不可能と判断された時、状況によっては我々が地球人としての最後の種として繁栄するために。普通ならありえない300名もの20代の女性乗組員がその証なのでしょう。ある程度歳の行った人員が50名を切るのは少しでも若い者を地球より連れ出すため。イズモ計画の亜種でしょうか」

「そうだ。これを知らされているのは私のみだが、君なら気付くと思っていた。君はイズモ計画とヤマト計画、どちらの方が正しいと思う?」

「どっちも綱渡りです。ヤマト計画もイズモ計画も穴が大きい。ヤマト計画の大きな穴はそもそもイスカンダルまでの航路図がないということでしょう。何かの事故なのでしょうが、これが大きく痛い。ガミラスの攻撃に関してはなんとか切り抜けられたとしても、イスカンダルに辿り着けなければどうすることも出来ない。イズモ計画も似
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