ビーター
第一章
ただいま
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薄暗くなったファーフニルの裏路地を、三人で歩いていた。
ひたすらに無言で、肩を並べて歩いていく。
「やっと……四分の一……」
ふと、ナギが呟き、
「そうだね……」
と二人して口にする。
今回の攻略戦で見えた希望と、絶望。
軍の連中が大勢死んでしまったことも相まって、3人の顔はどんよりと曇っている。
「ボスで犠牲を出したのは5層以来だな……」
「そう、ですね。やはり、攻略方法を改善するべきなのかも……」
「いや、改善はしないほうがいい。固定観念に囚われたらお仕舞いだよ。」
「そっか……」
どことなしに絞り出した話題も、やはり顔を曇らせる。
結局、気まずい沈黙のまま、俺たち三人は帰った。
「「「あー!やっと帰ってきた!」」」
宿屋のドアを開けた途端、思わず首を竦める程の大音量が響いた。
「お、おぅ……」
「えっと……その……」
「ただいま……」
何とも間抜けな、三重奏が響いた。
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