暁 〜小説投稿サイト〜
落ちこぼれの成り上がり 〜劣等生の俺は、学園最強のスーパーヒーロー〜
本編 生裁戦士セイントカイダー
第11話 桜田舞帆との出会い
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の子を散らすようにバラバラに逃げ出していった。

 そんな中で、彼女だけは逃げることもせず、真っすぐな瞳で俺を射抜いていた。
 やや怯えながらも、決して弱みを見せまいと気丈に振る舞う、正義感の強そうな美少女。

 それが、俺にとっての桜田舞帆の第一印象だった。

「な、なによ、やる気? ただじゃ負けないわよ、私はまだ本気じゃ――」

 ギュルルル。

 脚を僅かに震わせ、不格好なファイティングポーズをとる彼女。しかし、突然鳴り響いた彼女の腹の虫が、そのモチベーションを大きく揺さぶる。

 緊張がほぐれた反動かなにかだろうか。とにかく、彼女は顔を真っ赤にして、へたりこんでしまった。

「はっ! う、うぅぅぅ……」

 恥ずかしい余り、うつむいたままで俺とは目を合わせようとしない。

「……ち、金絡みで面倒掛けさすなっつーの」

 俺は彼女に手を差し延べる自分自身の姿に、少しだけかつての自分に戻ったような錯覚を感じていた。

 △

 アイドルと経営者を兼ねるヒーローが運営するファーストフード店に足を運んだ俺は、なけなしの金で少女に適当にワンセット買い与え、彼女を一人にしたまま店を出た。

「あなたは買わないの?」

「俺は外でご馳走だ。お前と違って胃袋だけはドデカイからな」

 全く同じ身長だが、体の違いはハッキリしてる。

 少なくとも、彼女に比べれば俺の方が格段に強く、腹も減る。

 俺は店の裏手に回ると、周囲の目もはばからず、残飯が詰まったゴミ袋の前に屈み込む。

「さて、頂くか」

 袋を開けば、異臭と一緒にボロボロと客の残した食べかけのバーガーやポテトが流れ落ちてくる。

 この中からなんとか食えそうなものを取捨選択して食い漁るのが、俺の「ご馳走」だ。

「これは……げ、ひでぇ臭いだ。こっちは……まあまあか」

 一つのゴミ袋に入れられた残飯が明確に食い物じゃなくなるタイミングは、一定とは限らない。

 時間が経ってすっかり腐りきったものがあれば、今しがた捨てられたばかりで、まだソースの臭いがはっきり残されているものもある。

 そうしたものを選び出し、さっきの女に与えたワンセット分の量を拾い上げた俺は、早速そのうちの一つを口に運び……

「な、な、な、なにしてんのッ!?」

 怒鳴られた。

 うんざりした顔で振り返ってみれば、信じられないようなものを見るような表情で、女は俺のしようとしていることに目を見張っていた。

「二人分買わないなんてやっぱり変だと思ったら……!」

「食事中の奴に後ろからでかい声で話し掛けてくるとは、ナリの割りにマナーのなってない奴だな」

「食事!? それが食事なの!? 信ッじられない! カラスのする
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