暁 〜小説投稿サイト〜
ラブライブ!サンシャイン!!〜千歌キチとAqoursの夢の軌道〜
第1話:彼が眺めたいモノ
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僕は、6時間の授業を終えると速攻で教室を抜け出す準備をする。
帰りのSHR後に、1秒でも早くお嬢を迎えるためだ。
「千歌、準備はできたかい?」
「うん!一緒に帰ろ♪」
「ああ、行こうじゃないか」
許嫁とともに帰路に立つ。もちろん、手を繋いで。
柔らかな、そして心安らぐ温もりが手を通じて、全身へと伝わる。
僕の手?ヌメり気ハンパない。手汗はとりあえず死ね。
「ご、ごめんな?僕、手汗すげェから……」
「気にしないよ、君と一緒にいれるだけでそんなこと考えられなくなるもん」
クシャッという表現がまさしく合っているような笑顔を見せ、2人を繋ぐ鉄錠はより強いものとなる。
こうして僕達は、他の生徒が見る中でバージンロードを築き上げながら自宅へと向かったのだった────
──────
──だったらよかったのに………
今、僕は。
「これくっそ重いんだけど!アホじゃねぇの!?」
「ほら、つべこべ言わず動く!」
絶賛雑用中なう。これは酷い。青春の"せ"の字もねェ。むしろ奴隷だろ、彼女持ち(理想)の僕にはあまりにも相応しくない状態だと思うのだが?なァ?
「もっと青春っぽい放課後の過ごし方があるよなァ……」
「まーたそんなこと言って、さっきまで張り切ってたくせに」
「それとこれはちげぇよ……今頃千歌は何してるかなァァはァァァァ……」
「溜息が大きいないちいち!!練習でしょ、こっちも頑張らないとほら!」
「あーうん……わかってはいるんだけどねェ……千歌……」
「相変わらずの千歌一筋ね……正直すごすぎて引くわ……」
そこら辺理解していただけてるなら、僕が持っている大量の機材をどうにかしてくれませんか?千歌の笑顔見たいお……僕、死んじゃいます!自分で言ってなんだが、気になります!よりタチが悪いぞ。あと見たいおって何だよ。キモオタじゃねぇか。
「よっこらせ…野鷹ー、ここに置けばいい?」
「おっけー。僕もやっと運び終わったし、あとの2人も呼んで休憩いれっか」
「あー……さっき買い出しに行ったから私たちだけで先に入っておこうか」
「む。了解」
約1時間ぶっ通しで働いたからな。正直言って、動きを止めると眠さが出てくる。普段あんま運動しねぇからな……
500mlペットボトルに僅かに残っていたお茶を飲み干し、広い体育館の真ん中に座る。
つーか、ここを人で埋め尽くせだなんて新理事長も無理を言いやがる。全校生徒が来ても埋まりきらない上に、ここは都会様と違って生憎のドが付くくらいの田舎だ。人も少ないし、そもそもスクールアイドルが何かっていうことさえわかっていない人が多いだろう。
「にしても、一番文句言ってるのに一番働いてるよね、野鷹って」
「急になんだよ。働くこと
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