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モンスターハンター 〜故郷なきクルセイダー〜
第5話 夜に想う、愛する人の面影
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 その晩のうちに、チェーンシリーズの男達は全員縛り上げられ――ギルドの者達に連行された。どうやらアダイトがあらかじめ手配していたらしく、初めから彼らを捕まえるつもりだったらしい。

 その後三人は、村の宿に帰り――明日に備えて休むことになった。
 だが、そのままベッドで眠りにつく者は一人もおらず――三人とも、宿の裏手にある井戸に場を移していた。
 そこでは、自分達の装備を取り返したクサンテ達が揃って頭を下げている。

「まず、此度のことで私から礼を申し上げたいわ。――危ないところを、ありがとう。そして、昼間は無礼なことを言って、ごめんなさい」
「私からも、礼をいわせてくれアダイト殿。ギルドナイツの戦士とは知らず、先刻は失礼仕った」
「いいよ、礼なんて。あっちが人身売買を副業としていたのと同じで、おいらも対ハンターを副業にしてんだからさ」
「同じなわけないじゃない! あ、あなたはその、私の、た、大切な……」

 あの小屋で起きていたことを思い出す度に、激しい羞恥心に晒されて行く。頬を染め、俯く彼女の姿に、アダイトは苦笑いを浮かべながら彼女の頭を撫でた。
 その行為に、デンホルムは不機嫌そうに鼻を鳴らし――クサンテは、かつて兄のように慕っていた許嫁に、よくこうしてもらっていた思い出に浸っている。

「あっ……」
「もういいよ、おいらも辛いことを思い出すのは嫌だからな。――にしても、明日に予定通りクエストに行くって、本当かい? 明日には今夜のことも知れ渡るだろうし、数日くらい間を開けたって……」
「……私のことなら心配はいらん。これでも、その武勇で名を馳せたルークルセイダー家に仕えし騎士。あんなへなちょこキックで明日に差し支えるような、ヤワな身体ではない」
「……私も、今更予定を変えるつもりはないわ。あの連中のようなハンターしか常駐していなかった、というのならなおさらよ。モンスターに苦しめられている民を前にして、狩りを遅らせるなど、王女としてもハンターとしても許されないわ」
「別にここはユベルブ公国の領土じゃないんだけどな……。まぁ、そこまで言うなら止めはしないよ。ハンターの管理や監視も仕事のうちだから、おいらも同行するけどね」
「えぇ、歓迎するわ。あの立ち回りを見る限り――その貧弱な装備も、敵を欺くための隠れ蓑だったらしいし」
「本音を言えば、姫様に下々の者を近付けるわけには行かぬのだが――ギルドナイツの手先ならば、申し分あるまい」
「ははは、まぁ、明日はよろしくな」

 二人の許可が下りたことで、ようやくパーティに組み込まれたアダイトは、彼らの言い分に苦笑しつつも笑顔で応えて見せた。

「――けどさ。ユベルブ公国のお姫様が、なんでハンターなんかに? モンスターが憎いってんなら、そこいらのハンターに依頼した方がよ
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