暁 〜小説投稿サイト〜
色を無くしたこの世界で
第一章 ハジマリ
第7話 戦いの舞台
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話し出した。

「この試合……ボクも参加させてもらえないかい……?」
「アステリが?」

 アステリの言葉に天馬……それにフェイも驚きの声を上げる。
 正直、メンバーの少ない今の状況で一緒に戦ってもらえるのはとてもありがたい。
 だけど、天馬はアステリの体調の事が気がかりだった。
 そんな状況で試合なんてして大丈夫なのだろうか……

「キミ達をこんな目に会わせたのはボクのせいだ……だから、責任をとりたい」

 天馬の心配をよそにアステリはそう言葉を並べる。
 その声は暗く、二人に対してだろうか……表情も申し訳なさそうな、悲しそうな風に見える。
 自然と顔も俯きがちになる彼に「アステリのせいじゃない」と元気付ける様に天馬は言った。
 その言葉にアステリは「え」と俯いていた顔を上げる。
 するとフェイも「そうだよ」と言葉を続けた。

「何があったのかはよく知らないけど……あのカオスって奴がいきなり襲ってきたのが原因なんだから」
「それに俺達は仲間だろ? 仲間が困ったり悩んでたりしたら助けるのは当たり前だ!」
「二人共……」

 二人の言葉に、アステリは心の中に抱える不安を……罪悪感を悟られない様、「ありがとう」と微笑んで見せた。

「よろしくな、アステリ!」
「うんっ」

 アステリの気分も変わった所でフェイがパチンッと指を鳴らす。
 するとフェイと似た八人の選手が姿を現した。
 と同時に天馬達の服も大きく『天』の字が描かれた赤いユニフォームへと変わる。

「! 彼等は……?」

 出現したデュプリ達を見てアステリがフェイに尋ねる。
 それに対しフェイは「あぁ」とデュプリの説明を始めた。

「化身ってのは知ってるかな?」
「あ、うん」
「彼等はデュプリと言って、化身と同じモノさ。今、メンバーはボクと天馬とアステリしかいないから、足りない分を補ってもらおうと思って」

 「化身に変わりは無いから長時間の使用は大変だけど……」と苦笑するフェイに、天馬は「申し訳無いな」と思いながらフェイの話を聞くアステリを見る。
 そこで天馬は気づく。

「デュプ……リ……」
(……アステリ……?)

 アステリがデュプリとフェイを交互に見ながら、不思議そうな顔をしているのに。
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