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022「妖精さん、家庭用火炎放射器を買う」
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火炎放射器。火のついた燃料を浴びせる凶悪すぎる武器。
それは残酷で、残虐で、取り扱いが危険な割には、信頼性が薄い。
アメリカ軍では、ベトナム戦争後に、この兵器を廃止しているくらい、役に立たない。
だって、射程が短い。こんなものを使うくらいなら、ロケット弾を放り込んだ方がマシだ。
しかも、市販されている家庭用火炎放射器は、せいぜい7mくらいしか炎は飛ばず、外見は、銃とあまり変わらない。
銃弾を搭載した弾倉の代わりに、上部に小型の燃料タンクが搭載されているだけだ。
十歳児にしか見えないシルバーでも、扱いやすいシンプル構造。
燃料は、ガソリンスタンドで売っているレギュラーガソリンでもOK。
というような説明を、豚人間を燃やしながら、シルバーは聞かされて激怒した。

「ふざけんな!俺の人生を終了させる気か!」

『こんな土壇場で購入したのが役立たず武器wwww』
『ちょwwwおまwww妖精さんを殺す気かwwww』

「俺が死んだら、絶対に祟り殺してやるからな!」 シルバーは怒りすぎて絶望する暇すらない。

『で、でも、火炎放射器は凄いんだお!
塹壕戦なら、大活躍できるお!』

「今やっているのは洞窟での屋内戦だよ!
塹壕戦じゃないよ!」

議論している暇もない。
洞窟の入口側から、次々と欲情した豚人間が入ってくる。
しかも、今度は炎対策済みだ。

「ブヒィー!」
「お嬢ちゃん降伏するブヒィー!」
「川に入ってきたブヒィ!これで炎の効果は半減ブヒィー!」

豚人間は、全員がたっぷり水で濡れていた。洞窟の通路の隣を流れる川に入ったらしい。
これなら、多少の炎を浴びても無問題かのように見えた。
シルバーは怒りの矛先を、豚どもに向けると同時に、火炎放射器の発射口も向けた。

「お前らのせいでっ……!
俺の転生特典がゴミになってしまったじゃないかぁー!
焼豚にしてやるー!」

『汚物は消毒だぁー!』
『豚は焼肉だぁー!』
『豚は焼いて出荷よー!』

スイッチを押して、シルバーは猛烈な火炎放射をプレゼント。
豚人間達は、肌を焼かれて、絶望的な苦痛とともに転げ回った。

「「ぶ、ブヒィー!怖いぶひぃー!」」
「「水を浴びても無意味なくらいに熱いブヒィー!」」

『火炎放射器は、炎つきの燃料を飛ばす武器だから、水浴びても死ぬぞwwww』
『完全にこれ初見殺しだわ……!』

炎に焼かれる同胞を見て、恐怖に煽られた豚人間達は、逃走を開始した。
だが、ここは狭い屋内。天井は無闇に高かったりするが、横幅は狭い。
100匹を超す豚が、狭い通路を逃げ回ったら交通渋滞が発生するのは必然だった。

「早く逃げるブヒィー!」
「後ろから、怖い魔法少女が来ているブヒィー!」

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