第二章
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「ちゃんとね」
「うん、それじゃあ僕も楽しみにしてるよ」
「まずは休暇を取って」
育児休暇をである。
「それからね」
「胎教をしていこう」
「これから楽しみね」
「全くだよ、二人で感謝しないとね」
「神様にね」
二人はこの時最高の笑顔だった、最高の幸せを感じて。
そして暫くしてだった、カテリーナは産休を取り子供を産む準備にかかった。フリードリヒは仕事を続けながらも妻に協力して共に胎教をしていた。
子供はカテリーナの中で次第に大きくなりだった、遂に。
カテリーナは臨月を迎え病院で出産した、そしてだった。
子供のことをだ、夫と共に医師から言われた。
「見事な大きい元気な赤ちゃんです」
「そうですか」
「元気なんですね」
「男の子ですよ」
元気であることの次にだ、医師は子供の性別を話した。
「何処も異常はありません」
「それは何よりです」
産み終えたばかりのカテリーゼはほっとした笑顔で言った。
「元気な子で」
「そうだね」
フリードリヒもそうした笑顔になっていた、そのうえでの言葉だ。
そのうえでだ、こう妻に言ったのだった。
「よく頑張ったね」
「ええ、じゃあね」
「これからだね」
「子供は生まれてからっていうわね」
「そう、そこから全てがはじまるって」
授かり産むだけでなく、だ。
「だからね」
「二人で育てていきましょう」
「そうしよう、じゃあ君が言ってることだけれど」
「あのことね」
「いよいよ教えてもらう時が来たね」
「ええ、そうね」
「じゃあ僕達が赤ちゃんと会った時に」
フリードリヒは言った。
「その時にだね」
「あなたにも話すから」
「待ってるよ」
「あと少しで、です」
ここでまた医師が二人に言って来た。
「ここの赤ちゃんを連れて来ますので」
「はい」
二人は同時に応えた。
「お願いします」
「そしてです」
そのうえでというのだった。
「お会いして下さいね」
「親子の最初の対面ですね」
「あと少しで」
「そうです、連れて来ますので」
こう言ってだ、実際にだった。
二人の愛の結晶が運ばれてきた、その子は確かにだった。
大きい、しかも大きな声で泣いている。フリードリヒはその泣き声を聞いて言った。
「元気な子だね」
「そうね」
カテリーナも笑顔で言う、自分達の子供を見て。
「立派に成長していきそうね」
「そうだね」
「それじゃあ」
「うん、今からだね」
「この子に最初に教えるわね」
「勉強しろかな」
最初はそれではないかと言ったフリードリヒだった。
「それから」
「違うわ」
カテリーナは微笑んで否定した。
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