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『零と先輩』
『後悔』

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先輩は、ちゃんと聞いてくれた。
茶化すことなく、同情することなく。
聞き上手なのだろうか。

警察や検察等から受けた聴取では、散々嫌な想いをして、ブチギレた事もあるのに。
それを、何故か自分から話してる。
たぶん...いや、絶対に先輩は困るだろう。
こんな事を話されても。

解らないわけではなかった。
施設に居る零は、他の子の事情もチラホラ耳にする。
それぞれに事情がある。
でも、それを知ったところで他人が何を出来るワケでも無い。

当時は、零の様に、被害を受けて来たケースは少なかった。
それより、経済的に困って預けられてるケースが多かった印象が強い。
親の病気だったり事故だったりで短期間で出所する子も居た。

面会してる子も多くて、長期休みには帰省する子が多い。
深刻な状態の子より、帰れる環境に在る子が多かった。

正直、帰れる場所が在る子を羨ましく想ってた。
いや...嫉ましかったのが本心だろう。

先輩が、零の心情をどれだけ解ってくれてたか解らないけれど、先輩からは優しさしか感じない程、優しい人だって痛感した。

だからチョット後悔した。
話してしまったことを...
先輩は暫く色々考えてしまうかも...
悩ませてしまうかも...



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