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魔法少女リリカルなのは 〜彼の者は大きなものを託される〜
第二羽 翼が折れた日
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かは結城が今の地位になるまでにしてきた努力を目の当たりにした。

 放課後の教室で一人、誰にも教わらずに一人で勉強している所。

 高町宅の裏手にある道場で父と兄、姉に木刀一本で立ち向かい、傷だらけになりながらも挑む続ける姿。

 極めつけに驚いたのは、早朝にマラソン選手に迫るほどの距離にプラスして登下校を全力疾走で駆け抜けていたことだ。

 これが彼にとって普通なのだとなのはに聞かされて二人は自分たちの普通を疑いかけてしまった。

 それほどまでに彼は自分に対してストイックだったのだ。

 彼の努力を知った二人は、なのはに内緒で聞いた。

 ――――なぜそこまで努力をするのか?

 その問いに彼は、自分には夢があるのだと答えた。

 ――――俺は将来、人を助けたり守ったりできる……ヒーローみたいな存在になりたいんだ。

 迷いなく答えた彼に、二人は驚きつつも納得した。

 彼がどうして人に好かれ、信頼されているのか。

 それは彼がそうありたいと願って、叶えるだけの努力を積んでいたからだ。

 そんなこと分かっていたはずなのに、改めてそうなのだと強く納得させられた。

 そしてそれを理解した二人は、他人に優しく自分に厳しい彼に心惹かれていく。

 自然と目で追うようになり、彼の仕草の一つ一つが印象的になってしまうほどに惚れていった。

 それが二人にとっての初恋だった。

 ――――なのは達が小学三年生になった頃、なのはと結城は自らが持つもう一つの才能と出会う。

 それは地球では全く役に立たない才能。

 しかし別の世界では天才とまで言えるほどの才能。

 ――――魔法に出会った。

 デバイスと言う兵器を用いた激しい戦いに、二人は身を投じることになった。

 そこで出会った魔法世界出身の少女、フェイト・テスタロッサ。

 現在、フェイト・テスタロッサ・ハラオウンと苗字が追加された彼女は当時、なのはと結城と敵対していた。

 求めるものが同じだが、目的が別だったから。

 相容れない三人は、何度もぶつかった。

 その度に見せるフェイトの心の片鱗。

 そして魔法世界の組織まで介入する事態になるに連れ知ることとなる、フェイトの核となるもの。

 何度も争って、何度も話し合って、事件が解決した頃には三人は『友達』になっていた。

 友達に世界や魔法も関係ないと思えるほど、三人の絆は深いものとなった。

 その後、フェイトは海鳴で過ごすこととなり、右も左も分からないフェイトのサポート役として年上の結城がフェイトの側についた。

 魔法のことや、フェイトの事情を誰よりも知っていると言うこともあって、フェイトと結城が親しくなるのに時間はかか
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