暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜漆黒の竜使い〜
episode10
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不動博士とのデュエルの後、デュエルコートでは研究員とみられる人たちが計測機器やタブレットを手に、忙しなく行き来していた。 デュエル以外出来ることがない私達はそんな様子をぼんやりと眺めていると、一仕事終えた後らしいペガサス氏がにこやかな笑みを浮かべてやってきた。

「お待たせてしまいもうしわけありませーん。 それとレンカガール、先ほどのデュエル素晴らしいかったデース」
「いえ、私も無我夢中だったんで……特に途中からわけわかんないくらいシンクロ召喚が多用されたあたりから記憶があやふやで」
「あー、仕方ないですよ。 外野で見ていた私もドン引きでしたよ……」

「いや、すまない。 あれは私もやり過ぎたと反省しているよ」
「博士?!」

バツの悪そうな表情を浮かべた不動博士が頬を掻きつつ、会話に割り込んでくる。 そして、空いた手には小さめのアタッシュケースが握られていた。
怪訝な眼差しを怪しげなアタッシュケースに向けていると、ペガサス氏が不動博士から受け取ったそれを私に差し出してくる。 私より先に状況を察した楓さんの表情に歓喜の色が浮かび上がった。

「っ! 会長、もしかしてそれは!」
「Yes。 先の素晴らしいデュエルを見せられて、渡さないわけにはいかないでしょう」
「って、まさか?」
「はい、ここに入っているのはシンクロ召喚に関するカードたちです。 我々はあなたをテスターの一人として任命します」
「うぇっ?! は、はいっ!」

戸惑いながらも、差し出されたケースを受け取るとぱちぱちと周囲から拍手が起こる。 見渡せば、研究員の方やガードマンの方でさえも私に向けて拍手をしてくれていたのだ。 認められた、という想いがふとよぎり胸のうちが温かくなるような感覚を感じていると唐突に背中を強めに叩かれ、パッと犯人を睨みつければ、楓さんがニヤニヤとした笑みを浮かべていた。

「ひゃぁ! な、なにするんですか、楓さん!」
「責任重大なレンカさんを励ましてあげようと思っただけですよう。 ま、あなたならペガサス会長のお眼鏡に叶うと信じていましたがね」

楓さんの言う通り私が負う責任は大きいだろう。 下手なプレイングはできなくなる。 だけど、楓さんの励ましのおかげで頑張れそうだ。 だがしかし!

「ありがとうございます。 けど、次からはちゃんと言ってくださいね? ほんと、心臓に悪いので!」

ジーと非難の視線を送ると、吹けもしない口笛を吹きながらサッと目線を反らされた。 この軽い感じは相変わらずのようだ。



ラボをあとにした私は楓さんと二人、様々な開発・研究が行われている開発区からアトラクションのある遊興区画へと続く道を歩いていた。

「で、この後どうするんですか? ていうか、授業……出席日数……」
「あぁ、それ
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