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戦姫絶唱シンフォギア〜海神の槍〜
EPISODE1.歪む世界
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上げた次の瞬間、
「二人ともそこまでだ!」
男性の声が響き渡り二人は動きを止める。
「風鳴司令!」
「援軍かっ!」
二人が振り返ると、赤いシャツにピンクのネクタイを着けた男性が居た。
「まったく、翼も何で挑発にのった?」
「そんな事ありません。彼がシンフォギアを纏っていましたので無力化し拘束しようと。」
「そうか。ならいいんだ。ところで、君にはお願いがある。その力で、我々と共にノイズと戦って欲しい。」
翼の司令官、風鳴弦十郎はキョウヤに尋ねる。
「おいおい、初対面で且つシンフォギアを扱える奴を相手に何を言っているんだ?今の俺にはあんた達と手を組む理由も無いしあんた達を倒す事だって出来るんだぜ?」
キョウヤは呆れながらトライデントを解除する。
「そのわりにはシンフォギアを解除したようだが?」
「戦う気も無いし、理由も無い。それに、ここではシンフォギアの力は人には観られる訳には行かないので。大丈夫ですよ、ノイズはもう一帯に居ません。さっきのそこに居る歌手の()との打ち合いの間で残っていた雑魚も駆除しておいたので。」
「貴様、私と戦っている間にそんな事を!」
「仕方ないだろう。ノイズを放置すれば被害も出る。かと言ってお前との打ち合いも放置出来ないし、ノイズが出たから止めましょうなんて言える状況でも無かっただろ。なら、戦える奴が戦って、被害を出さないようにする。シンフォギアの力は、人を救う為にあるんだからそのために使わないと。」
「ところで、君の名前は?」
「キョウヤ。キョウヤ・タカナリといいます。」
「そうか、キョウヤ君か。君が心配するのも無理は無い。だが安心して欲しい。君や翼君、響君がノイズを倒した後は我々が対処する。」
「対処、とは?」
「まずノイズの被害に遭う中で装者に救助された場合今後の言動に一定の制限を設け、被害にあった土地を徹底的に再建策し再び住めるようにし、住民は暮らして行けるようになる。どうだ、素晴らしいだろう。」
弦十郎がそう言った途端、
「それで、、被害にあった人は本当に救われてるのかッ!」
キョウヤは怒る。
「そんなの、ただ事実を隠蔽し、知っている人を黙らせて、まるであたかも無かった事にする。そんなの、救済でも何でも無い!俺は、お前達と組んで行く事なんて、出来ないッ!」
キョウヤがそう言った瞬間、キョウヤの手首には強固な手錠が掛けられていた。
「すみませんが、キョウヤ・タカナリさん。あなたを、特異災害対策機動本部二課まで連行します。」
翼は、キョウヤにそう告げた。
「この──チクショウがぁぁぁ!」
キョウヤの叫ぶ声が、夜の海辺に木霊した。




戦姫絶唱シンフォギア 〜海神の槍〜
つづく
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