暁 〜小説投稿サイト〜
突然背中から
第四章

[8]前話 [2]次話
「ひょっとしてね」
「そうかもですね」 
 ラハルもすぐに答えた。
「ひょっとしてですが」
「その西の方の」
「日本の」
「そうなのかな、やっぱり」
「みたいですね、じゃあお話してみます?」
「英語通じるかな」
「そのことを確かめてから」 
 まずは二人で話してだ、そしてだった。
 ジェームスは英語で、その二人に尋ねた。
「お国はどちらで。英語喋れますか?」
「あっ、はい」
「簡単にですが」
 二人はすぐにだ、ジェームスに答えた。
「一応は」
「たどたどしいですが」
 こうジェームスに言うのだった。
「それでもいいですか?」
「下手な英語でも」
「あっ、はい」
 それでもとだ、ジェームスも応えてだった。ラハルも交えて四人で話した。アジア系の二人はやはり日本人でカップルだった。二人で婚前旅行でインドネシアのこの村に来たのだ。
 そしてだ、二人でこうジェームス達に話した。
「実は私達和歌山からです」
「ここに来たんですけれど」
「いや、虎の土産ものが多くて」
「ついつい買ったんです」
「実は二人共阪神ファンで」
「虎大好きなんですよ」
「やっぱりそうですか」 
 ラハルは二人の話を聞いて頷いた。
「まさかと思ってたんですが」
「あっ、私達以外にもですか」
「虎好きの日本人ここに来てたんですか」
「何度か見ました」 
 実際にとだ、ラハルは二人に答えた。
「この村でも」
「虎が好きな日本人を」
「そうなんですね」
「虎はです」
 非常にと言うのだった。
「日本の西の方の人にかなり人気がありますよね」
「そうですね、特に関西」
「そっちで」
「野球が関係あるとか」
 ジェームスも二人に問うた。
「そう聞きましたが」
「ああ、阪神」
「あのチームですね」
 日本人のカップルも彼のその言葉に応えて言う、彼等の席から。
「私達もそうですけれど」
「阪神ファンの人多いですからね」
「しかも熱狂的なファンが」
「私達以上に」
「阪神というチームは虎ですか」
 ジェームスは二人にさらに問うた。
「そう聞きましたが」
「はい、虎です」
「阪神タイガースです」
「それで、ですか日本の西からここに来た人は」
 考える顔になってだ、ジェームスは呟く様にして言った。
「虎が好きなんですね」
「愛着あります」
「もう虎が一番好きな生きものです」
 二人もジェームスにはっきりと答えた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ