暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜彼の者は大きなものを託される〜
第一羽 少女たちの想い
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


 私の疑問にアリサも分からず、すずかは制服を指さした。

 誰だろうと思いつつ、なのはとその彼は私達のもとに到着する。

「はぁ、はぁ……みんな、遅くなってごめんね」

「寝坊でのしたの?」

 アリサの質問に、なのはは首を左右に振って隣にいる人を指差す。

「ちょっとお話ししてたら時間が過ぎちゃってて」

「悪いな皆、大事な友達の足止めしちゃって」

 隣の男性は苦笑し、後頭部を摩りながら謝ってきた。

 私達より大人っぽい顔立ち、笑顔よりも真剣な顔が似合うような容姿。

 だけど腰が低いというか、謙虚な態度で接する姿は私の中で好印象で、私から声をかける積極性を与えてくれた。

「なのはの知り合いですか?」

「えっと、知り合って10分くらいしか経ってないかな?」

「え?」

「もしかして……」

 彼の発言に驚く私を置いて、はやてが隣で不敵な笑みを浮かべながらなのはと彼を見つめる。

「なのはちゃんの彼氏ですか?」

「ふぇ!?」

「えっ!?」

「なっ!?」

「わぁ〜!」

 私だけじゃなく、なのはやアリサも声を上げて驚く。

 すずかだけ楽しそうな驚き方だった気がするけど、今はそっちまで思考が追いつかなくて。

「なのは、彼氏いたの?」
 
「ううん! 違う、違うよぉ!」

 首を左右に振り、両手をパタパタと振りながら否定するなのはに、私は疑いを一切持たず、はやての方を睨む。

「はやて、冗談が過ぎるよ」

「え〜、そっちのほうが色々面白いやん」

「私は結構困ってるんだけど……」

 すぐに誤解は解けたみたいだけど、なのははぐったりとした様子でこうべを垂れる。

 が、その隣にいる彼は少し暗い表情で俯き、

「そんな……俺との関係、冗談だったのか」

「ええ!?」

 冷ましている途中の熱い油に、水を注いだ。

 なのはは顔を真っ赤にし、彼の方を見つめると、彼はいたずらっ子のような表情で舌をぺろっと出していた。

「も、もぉ!」

 羞恥と怒りからか、なのはは彼の胸をポコポコと殴りつける。

 彼は痛そうというよりも面白いと言った表情で笑っていた。

 そんな二人の姿は、仲良し兄妹が戯れあっているようで……戯れあってる、みたいで……。

(あ……れ?)

 二人の光景を見た私は唐突に、懐かしいと感じた。

 この光景を見たのは、決して始めてじゃない。

 むしろ二年前までは当たり前の光景だった。

(ああ、そうか……あの人に、よく似てるんだ)

 大人っぽい姿や、こうして見せる子供のような笑顔。

 周りをビックリさせて、それを楽しんで、でも不快感は与えなくて……
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ