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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第二話 魔法と少女 前編
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えるべきでしょうね。 そして声の主がマスターのような存在を必要とした理由が――――あちらになるでしょう》

 アマネの声に釣られ、天龍は道路に現れた黒い存在に目をやった。

 それは原型を止めていない、不安定な形をした存在。

 黒くグチャグチャなそれは、建物を破壊しながら何かを狙っていた。

 目を凝らせば、そこには全身が白主体の魔導服/バリアジャケットを着て、赤い宝石を先端につけた杖を持つ少女がいた。

 そしてその動物から漂う魔力の反応と、彼女の後ろにいる小動物が放つ結界の魔力が一致したことを確認する天龍は、状況を整理する。

「アマネから見てあの動物……フェレット的なヤツは、被害者で……あの女の子は、巻き込まれたなうって感じかな?」

《職務中でしたら、この状況での私語について説教でしたが……まぁそう言うことでしょうね》

 今が休職中であることにただただ感謝しつつ、天龍は決意する。

「一応、管理局へ連絡は情報を揃えてからだ。 今は状況解決が最優先だ」

 ポケットからアマネを取り出し、画面を親指で操作していく。

 そして画面に表示された『Set Up』のアイコンをタップすると同時に、建物の屋上から飛び降りる。

「天黒羽、起動!」

《了解。 天黒羽、セット・アップ》

 黒い光が、俺を包み込む。

 光の中でアマネの形状が変わり、回転式拳銃になる。

 それは実弾さえ出ればピースメーカーと呼ばれる銃と同様の形態。

 黒いカラーのそれを右手に握ると、そこから溢れる黒い光は俺の服を新たに作り上げる。

 上下黒主体のスーツ姿。

 それを隠すように羽織った黒いマント。

 両手に親指の付け根ほどの短い手袋をつけた姿は、アマネや仲間から執事と言われるような服装だった。

 俺は黒い存在が少女を襲う瞬間、間に入って黒マントを壁のように前に広げた。

 マントは垂直に回転し出すと、布とは思えぬ硬度を持って黒き存在の突進を止める。

 その隙に俺はマントを背にし、正面にいる白い魔導師の女の子の顔を視る……って――――え?

「君……は!?」

「あ……ああっ!?」

 俺と彼女は、緊張感が抜けるような声をあげた。

《これは……私も想定外です》

 アマネも動揺に、驚いていた。

 そう、俺達は再会した。

 魔法と言う力に。

 そしてもう一つ。

 ――――高町 なのはに。
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