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『最低な女』
『決断』

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愛と意地、優しさと諦め。
見極め方は意外にも困難。

未桜は、赤ちゃんに対する愛が在るから産みたいのか、意地で産みたいだけなのか。

蒼は、理解した上で優しさを持って言ってるのか、単なる諦めで言ってるのか。

解ってるようで解っていないのが本音だった。
自分の気持ちさえ疑ってしまう。
何もかもが悪い方へと傾いてしまう。

勿論、産んでしまえば終わりではない。
解ってるつもりだった。
でも、不安や恐怖心が無いわけではなかった。
1人の人間を産むということ。
感情を持ってる人間。

食事を与えれば体は成長するだろう。
けれど、健康的な心を持つ子になるには、愛を注がなければならないだろう。
正常な心というのは、正常な愛を与えて貰えないと養えない。

そんなこと、未桜に出来るわけがない。
正常な愛など...
与えて貰っていない。
愛の注ぎ方なんてのも解らない。

深く考えれば考えるほど、育児が神業のように思えて惨めになる。
どうしてあげることが正しいのか解らなくなってく。
未桜の元なんかに、産まれてこない方が良いのかな。
未桜が此の子を諦めて、殺してしまうことが正しいのかな。

散々悩んだ挙げ句、産んで、逢いたい気持ちが強くなった。



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