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なみだ

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「あ、ロビン、今日本屋に行ってきたのか?」




てくてく、と可愛らしい足音を立てて船に戻ってきたのは、チョッパーだった。
青い鼻をヒクヒクさせ、心なしか瞳をキラキラさせながら椅子に座っているロビンに走り寄る。




「ええ、読みたかった本を見つけたものだから、シリーズで買ってしまったの。
私が読み終わったら貸しましょうか?」




「おお!いいのか!」




「もちろん。」




そんな会話をしていると、すぐ横で昼寝をしていたゾロが目を覚まし、寝ぼけ眼で2人を見つめていた。




「本ばっか読んで、楽しいのか?」




「知らない世界ばかりでとても勉強になるわ。」




「ゾロにも貸してやるぞ!ほら、コレとか。」




「絵本じゃねえか!バカにしてんのかチョッパーてめぇ!」




チョッパーに手渡された『は◯ぺこあ◯むし』の絵本を見て、ゾロは目を細めて声を荒げる。
チョッパーは顔を青くしてロビンの後ろに隠れるがそれでも楽しそうに笑っていて、ロビンも思わず微笑む。


ガチャリと扉が開く音がして、ナミとサンジが船内から顔を出した。
ナミは湯気の立つコーヒーを片手に、そしてサンジは美味しそうなケーキののった皿を片手に。




「ロビンちゅわん!
ナミさんの美味しいミカンで作ったケーキはいかがですかぁん!」




「あら美味しそうね、いただくわ。」




「あれ、ルフィとウソップは?
何してんのよ、もうすぐ日が暮れるのに。」




「日が暮れるだぁ?まだ3時じゃねえか、何言ってんだ。」




キョロキョロと辺りを見渡してルフィ達を探すナミに向かって、ゾロが呆れ顔でそう言った。
しかしそんなゾロにナミもまた呆れ顔で言い返す。




「アンタ話聞いてなかったの?島に着いた時に説明したじゃない。
この島は日が暮れるのが早いのよ!
なんでか知らないけど、夕方の4時にはもう真っ暗なの。
暗くなったら道わかんなくなっちゃうじゃない、ルフィ達ったら!」




握りこぶしを震わせて怒るナミの横で、「怒れるナミさんも素敵だ!」なんてサンジはハートを飛ばしていた。
ゾロは、へえと一言つぶやいて甲板の隅に腰を下ろした。
確かに水平線の先を見ると、太陽がかなり傾いていることがわかる。
燦々と照りつけていた太陽光も、いわゆる夕焼けと言われるオレンジ色の光に変わりつつもあるし、日が沈みかけているようだった。
さすが航海士だな、なんて柄にもなくゾロが心の内で思ったところに、

「おーい」

と船から少し離れた場所から聞き慣れた声が飛んできた。


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