暁 〜小説投稿サイト〜
そのアルカナは
第1部〜4月〜
第1章 覚醒
夢を見た

[2]次話
ここはどこだろう。

夜だというのに月が明るい。今日は満月だったのか。
なぜ僕はこんな時間に外にいるんだろう。思い出せない。
夢の中なのだろうか?
そう言えば最近良く眠れてないからか。

僕は歩き出す。
「ここは……僕の街だ。夢にしては細部までよくできてる」

僕の街、幻夢町。田舎から見たら都会だけど都会から見たら田舎。そんな中途半端な町。田舎のように田んぼや山々が広がってるわけでもないし都会のようにビルの山に囲まれたり人の川に流されている訳じゃない。
これと言った特徴もなく、影が薄い。忘れ去られている街がここ、幻夢町である。

僕はこの街の幻夢高校に通う、この春で2年に進級した篠原凛である。
この変な夢の中を闊歩している僕はなぜこんな変な夢を見るのか少し考えてみる。

最近のおかしな出来事の数々について



そう、あの日僕は夢を見たんだ。
あれは夢だって言える。変なやつが僕に語りかけてきたんだ。内容はよく覚えてない。女の人だったと思う。
朝起きたらその日はそんなこと忘れて学校に行ったんだ。
でも、学校でもおかしなものを見るようになった。
あれは多分俗に言う幽霊というヤツなのだろうか。
教室の隅に蹲る、学生服の男の子。周りの反応を見るに俺にしか見えてなかったと思う。何より俺のクラスのやつではないから、多分、そう幽霊なんだろうな

別にそんな驚きはしなかった。あぁ、なんか見えるようになったんだな、くらい。


でもその日の夜、また同じ夢を見た。
いや、もっとハッキリした夢だったと思う。
綺麗な女の人が俺に呼びかけていた。
そして次の日、通学中に幽霊を見たんだ。今度は溺れて死んだろうな。川の近くで見たんだ。
まぁそんな感じでここ1週間くらい変な夢と変なモノを見続けて、僕は変になってしまったのかと思っていた。
夢を見始めて1週間。この有様である。

昨日はそうだ。あの夢の女の子。私は貴方、貴方は私。貴方は力を持てる素質がある。とか何とか言ってた。夢の内容を覚えてるくらいはっきりとしたものを見るようになっていたんだ。


どのくらい歩いただろう。ちょうどこの街の1番賑わっているであろう駅前に来ていた。
そこで俺はまた変なものを見た。幽霊なんかじゃない
棺桶である。なんという夢だ。棺桶が地面に突き刺さってる街の夢とか笑えるだろ。
そろそろあの女の子が出てくるかな、なんて思いながら僕は呑気にその光景を、驚きながら見ていた
[2]次話


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