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執務室の新人提督
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、いったいどういう事だ。神通、阿武隈、初霜……お前達もだ。提督になんという真似をさせている!」

 鎮守府のトップに如何なる理由があってこんな無体を働いたのか、と長門は肩を怒らせて語気を強め、名を呼んだ艦娘達をにらみ付けた。戦艦長門の鋭い眼光である。気の弱い艦娘なら腰を抜かしかねない視線だ。
 それでも、名を呼ばれた艦娘達は皆平然としたままだ。
 ちなみにその間も提督はドナドナを口ずさんだままだ。
 大淀が一歩前に出て、長門と向き合う。
 
「私は、同じミスはしません」
「……で?」
「前回の失敗は、生身の提督を飢えたLOVE勢の前に出した事だったのです」

 大淀のかなりメタな発言に金剛が胸の辺りを押さえて呻きだした。金剛の隣に居る比叡が、大丈夫金剛お姉さま、カレー食べりゅ? などと言っているが聞こえていないようだ。聞こえていても聞こえていない振りをするだろうが。
 
「……その結果が、それか」
「はい」

 眼鏡を光らせて応える大淀に、長門は如何したものかと初霜に目を移した。見られた初霜は長門に頷き、大淀と志を同じくした同志であると応じた。大分あれな同志である。長門は少しつらそうな相で阿武隈、神通にも目を向けた。
 
「提督をお守りする為です」
「これも提督の為だから」

 両者とも、完全に作戦行動中の――戦士の顔だ。当然、二人の背後に並ぶ選抜メンバー達も皆戦に赴く前の勇者の顔である。
 長門は鎮守府における武勲艦、武功艦の並ぶ盾と矛の戦隊全員の相を見て、重く頷いて口を開いた。そして提督はドナドナ〜子牛復讐編〜を口ずさみ始め一部艦娘達の興味を独り占めしていた。

「そこまで覚悟を決めたか……よし、その心意気や天晴れだ! 長門は了承した!」

 この艦娘も鎮守府に毒されすっかり駄目になっていた。大淀が発案し、長門が許可し、金剛も口を挟まない上に、初霜も止めないのだ。もうこれで決定である。あとどうでもいい話だが子牛が立派なミノタウロスへと成長し畜産農家を滅ぼし、こうして人の暗黒時代が始まったのだ、と渋い声で締めた提督に拍手を送る一部艦娘達が居た。
 
「その……いいでしょうか?」

 鎮守府の艦娘トップ4が決めてしまおうと、やはりそれでも気になる艦娘はいたのだろう。おずおずと手を上げたのは鎮守府の良心であり第一艦隊の目の一人、鳳翔であった。
 
「うむ、なんだろう鳳翔さん」
「そのままでは、提督がお食事できないのではないかと」

 長門に返す鳳翔の言葉に、殆どの艦娘が、あ、と口を開いた。現在一部艦娘達に続編をせがまれ、ふふふ、どうだったかねぇ、と老婆の様な相で返す提督は檻の中だ。
 食事をとれる状態にはどう見てもみえない。が、平然としていた大淀は
 
「ご安心ください、この大淀におま
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