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女神の子は宇宙を抱きダンジョンで何を思うか
1話
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ここはオラリア。
世界の中心であり、全ての人が夢見、目指す場所である。
ある者は言った。

『ここには全てがある』

そう、ここは理想の地。
夢、幻想、希望を追い求め、行き着く場所なのである。

しかし、世界とは何時だって表裏一体。
夢や希望があれば、悪や絶望もある。
混沌とかす闇の中を影に紛れ、今日も人々の喜びの裏で名の知れぬ弱き他人が悲しみの声を叫ぶ。

そんなオラリアの道通りを一人の女性が歩いて行く。
その女性はただの女性では無い。
女神である。

比喩や過言でも無い。
まさに神という存在である。
ここオラリアには天界から降り立った神々が住んでいて、この世界である下界の人々に神の恩恵を与え、ファミリアを作り、様々な事で暇潰しをしているのである。

彼女もそんな神々の一人である。

フレイヤ

北欧神話に、出てくる女神の一柱であり、美、愛、豊饒、戦い、そして魔法と死を守護する太母である。
ここ、オラリアで絶世の美女として有名であり、多くの男神と自身のファミリアの者達等、多くの男性を性的に食い尽くしている事で神々の間では有名である。
更に、ゼウス、ヘラ・ファミリアを除けば一二を争う有力ファミリアでもある。

そんな彼女は普段はバベルの塔にいて、人々の魂を観察しているのだが、どうも今日は何か気になる事があるのか塔を出て歩いてる。

(何かしら?この感覚は、誰かに何かをされた訳ではない。寧ろ私の直感が、私の本能がこの先にあるナニカに反応している…。まぁ、良いわ?さて何があるのかしら)

少し歩いた所に、横の小道にポツンと置いてある籠を見つける。
フレイヤは自身が探していたのがこれだと判断する。
そして、驚く。
彼女は籠の中を覗くと、それと共に魂を除いてしまった。

そう、覗いてしまったのだ。

それは、広大な空、いや、空をも超えて、月が昇る夜空である。
まさにそれは、宇宙の縮図そのものである。
無限散りばめる輝く星々は、その存在を示すかの様に光を放つ。
無数の銀河が渦となり回り、恒星は煌めきながら爆発を繰り返し、光の闇の疾走が永遠と続いていた。
それは、未知なる神秘の世界であり、美の女神をも魅了させた。

そして、現実に戻る。
フレイヤは驚いた。
籠の中を見れば、そこには可愛らしい小さな赤子が、スヤスヤと寝ていたからだ。
今見たあの世界こそが、この目も開いてない赤子の魂なのだから。

(人の身でありながら、魂が世界そのものとなっている?一体、この子は…)

フレイヤは恐る恐る赤子を抱き抱える。
すると、赤子は花が咲いたかの様に、ニパーとフレイヤに笑いかける。
フレイヤは思った。

(…今日からこの子は私の子。誰の子でも無い、私の子。…この子を捨てた
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