第2.5章 出会いと再会は唐突に
第34話 赤と青の輝き
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「さてっ! 我が祖国へと帰りましょう!」
「誰のせいでこんな所にまで来たと思ってんのよ!」
「ご、ごめんなさ〜い……」
「あはは、よしよーし。アニスさんは良ーコ良ーコ!」
アニスは、拳を突き出しながらそう言うけれど……、ここに来た経緯を知っている千鶴子に一喝されまた沈んでしまっていた。こう言う光景が、ゼスでは 日常茶飯事なのだろう。
そして、アニスが項垂れた時が丁度頭を撫でるのに絶好の高さらしく、アニスの頭を撫でていた。
「やれやれ……ん?」
ユーリの腕に感触があった。いつの間にか、アニスが腕を組むように掴んでいたのだ。ヒトミもニコリと微笑んでいた。
「……なんだ? この手は」
「ユーリさんも一緒に帰りましょう!」
「なんで そんな流れになる?」
「アニスの初めての人だからです!」
「それ言ったらなんでも許されると思うなよ……」
アニスは、腕をぎゅっとつかんで中々離してくれないから、ユーリは、とりあえずチョップを1発かまして、腕を離させた。
「うぅ〜、でも、ユーリさんだってアニスが初めてでしょう!」
「いや? 違うが」
「がが〜〜〜んっっ!!」
「お、お兄ちゃんって意外と……」
ユーリの言葉を訊いて、アニスはまるでこの世の終わりの様な表情になり……崩れ落ちていた。
そして、ヒトミはヒトミで、顔を赤くさせてユーリを見ていた。
ヒトミは、今 一体ユーリの事どんな目で見ているのだろうか……? それは、ヒトミにしか判らないのである。
「そこまでか……?」
「ユーリさんが……。ユゥゥリさんがぁぁ……女誑しだったんですねっっ!! アニスの純情を弄んで!!「「ぽかっ!」」あうっ」
またまた、おかしな事を言いだしているアニスに今度は千鶴子を含めたダブルつっこみを炸裂させた。
「あんたの何処が純情だって言うのよ」
「……まぁ、その点については俺も同感だといいたい所、だが……。自我を持っていなかったとは言え、流石に悪い事をしたかな?」
ユーリは頭を一掻きするとそう呟いていた。不可抗力、と言えば間違いないだろう。だけど、男と女であれば、その認識は絶対に違うモノだと言う事は判るのだ。
それを訊いた、アニスは、蹲っていたのに、すくっ! っと立ち上がると、ユーリに顔を近づけながら否定の言葉をかけた。
「アニスはユーリさんの事が好きなのです! ……確かに、あの状況では、アニスに有利……じゃなく、ユーリさんの同意を得られたか? と訊かれれば、首を横に振らなければならない、その可能性が高いでしょう! ですがっ 悪かった、と思ってしまったとしても、アニスは、ユーリさんの口から言って欲しくないのです! アニスは何一つ後悔していないので!」
真剣な表
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