第2章 反逆の少女たち
第21話 四魔女の一角:ミル・ヨークス
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〜迷宮≪地獄の間≫ 幻獣の間前〜
「この扉……、開かないな」
「ああ。この先が妖しいな、さっきのミイラ男が言ってた場所付近だし」
ミリとユーリが扉をさわりながら呟いていた。鍵穴らしきものは無いが、扉はピクリとも動かない。
壊して入ろうか?とも思ったが、洞窟自体が潰れる可能性も捨てきれないのだ。
それに、四魔女の1人がいるかもしれない場所であまり目立ったことをするのも好ましくない。
「あ、ここはね……えっt「よし! ナニを入れるか」馬鹿!! 違うわよ! ルビーを入れるの! 確か、ミルが話してたの思い出したんだ。『お部屋に鍵をつけたんだ〜』って。こういうのが好きなんだ」
マリアは、ランスの言葉を一蹴しつつそう答えた。だが、肝心のルビーは誰も持っていないのだ。
「宝石か……、それは当然この迷宮で手に入るものなのか?」
「……それは、わかんにゃい」
「えぇい! ほんとに役にたたん!」
「うるさいわね!! 鍵の事を教えただけでも感謝してよっ!!」
「はは、やっぱマリアは可愛いな。もう一度、オレとしないか?」
「……後にしてくれ、とりあえず、此処を探索しよう」
「今も後も無いよ!! ぜぇぇったい却下!!」
……とりあえず、一行は色々と言い合いながらも、辺りを探索する事にした。
このエリアは、まだ探索していない箇所が多数ある為、1つずつ調べる。そして、最後の部屋、1人の戦士の亡骸が横たわっている部屋にたどり着いた。
「ここで、力尽きたんだろう。供養にもならんと思うが……」
ユーリは、肩膝をついて手を合わせていた。冒険者とは、常に死と隣り合わせと言っていい。明日は我が身だとも亡骸を見て思えるのだ。
「ま、オレもこんな風には なりたくはないもんだな」
「うん……、指輪をつけてたせいとは言え、私達の迷宮のせいで、こうなっちゃったんだから……。ごめんなさい」
ミリもそう言いつつ、ユーリと同じく軽く手を合わせていた。マリア自身は、自分たちがした事の罪の大きさを再度認識しながら手を合わせていた。
そして、必ず終わらせると誓う。
「がはは、馬鹿を言うな、コイツがここで死んでいるのは、弱かったからだ! 弱い者は死ぬのは当然の事だ。自然の摂理と言うものだ!」
ランスは相変わらずのご様子だ。
……だが、ランスの言い分にも勿論一理ある。分相応の力を持たないのなら、来るべきじゃなかったんだとも思える。その過程で命を落とせば自身の責任だが、もうこうなってしまった以上は、手を合わせるくらいはいいだろうと、ユーリは思っていたのだ。
「やれやれ、相変わらずだな。……ん?」
ユーリは、目を開けてそう言った時だ。
亡骸の手の部分。もう白骨化して
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