32ーエキストラトラック (aggressive boy and girl )
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「う…ん?」
僕は目が醒めると森の中にいた。えっと…。確か僕はヒースクリフを倒したはずじゃあ…。
と、すると…ここは天国?
「天国ではありませんよ?」
「え…?
あ、ソーニャ。これは君の仕業?」
いつの間にか僕の肩にはハロウィンの時にも登場した白猫状態のソーニャが座っていた。猫状態のソーニャは少しフワッとあくびをすると周囲の状況を確認していつもの様に面倒くさそうに話始めた。
「いいえ…私がこんな面倒くさい事をするはずがないじゃないですか…。どうやらこれは誰かの記憶の世界ですね。」
「記憶?」
僕はそう言って肩のソーニャを見ると鼻を少し鳴らして話を続ける。
「記憶…といってもこの世界は私達のいた世界の記憶ではありません。さらに言うと記憶の中といっても夢の中ではない様です。」
ソーニャは周囲の状況をそう分析すると僕に一つ問いかけてきた。
「…ところでスノーさん。『コスモゾーン状態』と言う理論を知っていますか?」
「コスモゾーン…?」
「別名『幽体離脱』…の方が分かりやすいでしょうか?昔から人間は死に際になると自分の身体から離れた感覚を覚える事があります。それを『幽体離脱』と呼んでいます。」
「んじゃ僕死んでるの??」
ソーニャはそれを聞くと話を区切って僕の肩から飛び出し、地面に立つ。
「あ、それは分かりません。…しかし現実世界ではもはや2年間寝たりきり状態が続いています。それを『死に際』と捉えているのか。はたまた貴方があの世界で死んだから現実でも死んだからなのか…。分かりません。
さて…ところでスノーさん。ストレージを見れますか?」
僕はすっと右手で空を掻くと、ストレージを開く事が出来た。それを見てソーニャはふむふむとすると。
「これは…最終決戦時の時の装備ですね。そしてここをSAOと捉える事が出来るのならこのアドバンテージは大きいですね。」
ソーニャはそう言って再び僕の方を見る。
ん?まてよ…?
「ねえ?ソーニャ。この状態。ソーニャなら解決出来るんじゃない?
ソーニャの恐ろしく強力なチートの代名詞『機械仕掛けの神の夢』なら…。」
「流石スノーさん。スノーさんの目は節穴ですね。」
「は??」
チートのところを強調して僕は言うと返ってきたのは毒のある暴言。これは酷い。
ソーニャはそんな中ため息一つ付き。
「いいですか?『機械仕掛けの神の夢』が使える状態なら私は今、この猫の姿ではなく…。いつもの人間のあの姿になってるはずです。その状態に今なれないという事は魔法が使えないって事を指すのが分かりませんか?」
…確かにそうだ。ソーニャは魔法が使えるならこの状況を一発で解決できるはずだ。
なら何故…?
「よう。にいちゃんは1人かい?」
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