暁 〜小説投稿サイト〜
『過去への旅』
『1996』

[2]次話

あの頃の僕らに
空と海の境界線は
無かったんだ。

なのに何故、
何故、空は海を
飲み込んでくのか。

耳の奥で
鳴り響く波音が
狂い暴れ出す。

目映かった
あの頃の一瞬一瞬、
どんな失望に
掻き消されかけても
絶対に忘れない。

12歳の夏、
僕を救ってくれた
其の温かい手の感触。

ただただ
未練だけが
募り続けてく日々に
胸が抉られてく。


[2]次話


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