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英雄伝説〜西風の絶剣〜
第6話 小さき騎士との出会い
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くる魔獣「サメゲーター」をかわし隙が出来たわき腹に剣を叩き込む。


「ギャアッ!」


 硬い!私の一撃では致命傷には至らなかったか、父上なら一刀両断に出来た筈だ。するとサメゲーターは硬直して動けない私に尻尾を勢いよく叩きつけてくる。


ガギンッ!


 剣を盾にして防ぐが余りの衝撃に腕が痺れる。サメゲーター達は私の周りを円のように囲んでいく、逃げ場を封じられたか。


「万事急須か……!」


 サメゲーター達が一斉に飛び掛ってくる、父上……!!


「目を閉じて!」


 何処からともなく声が聞こえ私は咄嗟に目を瞑る、すると強い光が辺りを照らした、これは一体?
そんなことを考えてたら右手をグイっと引っ張られた、だ、誰だ!?うっすらと目を明けると黒髪の少年が私の手を引っ張っていた。


「そなたは……?」
「話は後、早く逃げるよ!」


 少年はそういって私を誘導するように引っ張りながら高い木の上に逃げた。数秒後サメゲーター達は視界を取り戻したのか辺りをキョロキョロしていたが私達がいないと思ったのかその場を後にした。


「ふー、流石にサメゲーター五体はきついから行ってくれてよかった」


 私は助けてくれた少年をじっと見る、帝国ではあまり見かけない黒髪、どこかあどけない顔つきだが何だか頼りになる……そんな印象が浮かんだ。


「それで君は大丈夫?どこか怪我はしていない?」


 む、そうだ、助けてもらったのに相手の顔をジッと見るなど失礼だ。ちゃんとお礼を言わないと。


「先ほどは助けてもらい真に感謝する、私はラウラ・S・アルゼイド。よければそなたの名を教えて頂きたいのだが」
「僕はリィン。リィン・クラウゼルだよ」





……私はこの時思いもしなかった、この者達との出会いが私の運命を大きく変えることになるなどと。




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