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【銀桜】7.陰陽師篇
第6話「天魔外道ニモ負ケズ」
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 江戸にかかる暗雲を晴らすため巳厘野衆へのりこんだ晴明と銀時達。
 『式神タッグ呪法デスマッチ』第一回戦目は神楽と万事屋の使い魔・新八タッグの無茶苦茶な戦い方―ほとんど神楽のせいだが―で引き分けになり、残りのひと勝負が事実上の決勝戦になった。
 晴明と銀時のペアで挑んだが、戦いの中で道満の策略により銀時のキン○マが潰れ戦闘不能。
 最後の味方も倒れ一人リングに立つ晴明は、江戸に放った式神の力を全て集め真の力を解放した。そんなことをすれば江戸守護の任を解かれ、結野衆も潰れてしまうだろう。
 だが今の晴明にとってそんなことはもう関係ない。
 家柄の為でも、己の為でもない。
 ただ兄として、妹の笑顔を取り戻すために。
「道満これで終わりじゃ!」
 渾身の一撃が晴明の五芒星から解き放たれる。
 凄まじい霊力に溢れた蒼い光弾はそのまま一気に道満に迫る。
 だが――
「終わりなのは貴様だ、晴明」
「!?」
 刹那――道満が腕を一振りすると光弾は跳ね返り、そのまま晴明に直撃した。
「晴明さんん!」
「妹萌えェェェ!!」
 リング外から新八と神楽の悲鳴が会場内に響く。
 激痛に耐えながら晴明は顔を上げると、道満の身体から黒い霧が漂っていた。
――あの霧はなんじゃ?
――あれは道満がわしらに抱く憎悪の念が具現化したものなのか。
――いやこの霊気はそんなものではない。もっと別の……。
 混乱する晴明をよそに道満はボロボロになった陰陽師を嬉しそうに見下ろした。
「言ったはずだ。ぬしら兄妹を倒す為新たな力を手に入れたと。この力の前ではぬしの真の力も『無』と同じ。これでもまだ戦う気か?」
「アイツのためにも、わしは倒れるわけにはいかぬのじゃ」
「晴明、お前は本当に目がくらんでおるようだな。妹を護る盾はあっても……貴様を護る盾はないぞ!」
 嘲笑と共に道満が放った光弾は轟音を立てて晴明に直撃した。
 爆風が吹き荒れ、誰もが晴明の敗北を確信していた。

 リングに立つもう一人の術者を見るまでは。

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 結界を張って晴明を護るように立つ結野アナ。
 突然の乱入者に会場内がざわつき始め、晴明は驚愕の表情で術者の衣服をまとう妹へ駆け寄る。
「クリステルなぜここに来た!?お前が犠牲になる必要はもうない。家の面目などどうでもいい。わしはただお前が笑顔でいられればそれでいい」
 悔しさに力なく言う晴明に結野アナは首を振って答えた。
「この災いの火種である私に笑顔でいる資格などありません」
「それはち――」
「ですが兄様」
 力強い妹の声に押され晴明は思わず黙ってしまう。
 そんな兄を前にして結野アナは決意を語る。
「私はこの身を犠牲にするため参ったのではありません―― 

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