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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第4章 ハイネセン同盟軍統合士官学校 卒業間近の悲劇
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あれは私たちの卒業間近のことであった。

宇宙歴791年1月3日
実家がないか、実家に帰るつもりのない士官候補生たちは4個小隊で士官学校周辺の歩哨に立っていた。
私もその一人で、歩哨部隊の4個小隊を率いていた。
その時の当直副主任はフレデリカ士官候補生であった。
全員が冬季陸戦服(白兵装甲服ではない一般陸戦服)を着てM11ライフルを持ち予備弾倉を6つを持って周囲を警戒していた。
警戒と言っても敵は泥棒か酔っ払いくらいで、ただただこう言った休暇中の歩哨任務は
追加給料がもらえる
という目的だけで、やっているだけであった。
私は帰る家が第1艦隊の下士官宿舎であったので、帰れる家のある後輩たちの代わりに歩哨任務を受け持っているだけである。
まあ、もっともニコールは怒るだろうが…
当直副主任が必要だったのでサボっていても頼れる人がいるといいなーとおもって人探しをしていたら
フレデリカが
「先輩がやるなら、受け持ちましょうか?」
と申し出てくれたので、友人たちに貸を作らなくて済んだ。特に友人のステファン・クォーターにまた貸しを作るなんてごめんだった。
ステファンは私が艦隊戦の講義中に居眠りしているの注意してくれて,私があのムライ大佐の小うるさいおっさんに怒られるのを何回も救って受れたいいやつだ。
ステファンは相当な変人だがなかなかいい艦隊戦のセンスの持ち主であると周囲からは評価されていたが,彼は艦隊指揮官より「空戦小型戦闘艇パイロット」向きであったし,本人もそれに行きたいと思っていた。
彼との空戦シュミレーションでは今のところ9割近く私は負けていた。
性格よし,体力よし,頭も学年では3位,しかもかなりもてた。
いうことのないやつだった。
そんな彼も今日は父のアレン・クォーター大佐と母のマリン・クォーター中佐との一家団欒中だ。
いいなーと思いながら、息を吐き出す
息が真っ白だ。
辺り一面も真っ白だ。

確か0200時頃だったと記憶している
2時間交代で第1小隊と交代に入った時だった
ハイネセンイースト地区を警備する第7憲兵中隊から緊急警報が全方面に向かって発信された。
「イースト地区第2ブロックデ銃撃戦発生セリ
敵ハ大隊規模ト予測
救援をヲ要請ス」
私はいったん各小隊の点呼を行わせた。
帝国軍か?
それとも反戦市民連合か極右組織の過激派によるものか?
わからんがとりあえず警戒レベルを最大の5までに引き上げよう。
「フレデリカ!
各小隊へ警戒レベルを5に引き上げさせろ。
不審なものが接近してきたりしたら各小隊長の指示で射撃を開始して良い。」
フレデリカは冷静に
「了解しました。」
と一言だけ言って無線機に向かって喋り始めた。
私は、自分が嫌にこう言った緊張した空気を好んでいることをここで自
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