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小学時代を思い出そう!
「林間学校A」

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 キクちゃんは、とにかく子どもたちを、あやすのがうまかった!遊んでいるつもりが、遊ばれてしまうのだ!!

「キクちゃん、写真とってよ〜!」

 と、言うと必ずカメラを向けてくれた。一応、撮るマネだったが、それだけで撮ってもらえた!という、満足感があった。
 そうそうなぜ撮るマネが、分かったかというと、後日の写真販売で、撮れてない事が分かったのだった。すると、キクちゃんは……

「ごめんネ、うまく撮れてなかったんだあ」

 と言い訳してくれるのだ。これがまたいいのだ!!こちらには、撮ってもらってたという満足感があるから、別に気にもならない!その上、ちゃんと撮ってくれてるシーンもあり、それも本人たちが気付かないうちに、ベストショットを撮影してくれているから、逆に嬉しくなるのだった。さすがはプロだ!
 こんなキクちゃんだから、バス移動の時にキクちゃんが来てくれると、バスの中はすごい盛り上がりだった。
 キクちゃんの、持ちネタで最高だった「怪談話」だった。写真を撮っている人の心霊写真ネタには結構ビビった。

「キクちゃん、心霊が写ったらどうするの?」

 と、聞くと……

「大丈夫、ちゃんと写らない方法があるんだよ」

 と、言った。

「その日の朝に、写りませんようにって、祈るんだよ。じゃないと写るから……」

 と、言いながら持っているカメラをなでる姿に、かなり焦った。これでは、あまりうるさく「撮って!」とは言えなくなる。さすがは小学生相手に、写真を撮り続けているプロだ。
 今にして思うと、きっとそんな駆け引きを楽しんでいたのだろう。

つづく

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