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恋姫†袁紹♂伝
第13話
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の中心に桂花が埋もれているようだ。本来彼女を助けるはずの斗詩や猪々子に目を向けると、斗詩は猫達と、猪々子は犬達と戯れていた。

「これお前達、桂花が気に入ったようだが彼女は困惑している。その辺にするがよい」

袁紹のその言葉に犬猫達は桂花から離れ、彼女はその隙に袁紹の背後まで逃げてきた。
 背後で小刻みに震えながら恐る恐る顔を出す様子は、どちらが小動物なのかわかったものでは無い。

「助かりましたぁ……麗覇様」

憔悴しきった感じで礼をする桂花の服は、破れてはいないものの色んな足跡が付きボロボロだ。
 気のせいか頭巾の猫耳に力が無い。

「「……」」

「む、どうしたのだ?華雄が戦斧を片手で止められた時の様な顔をして」

余談ではあるが彼女は敗戦の悔しさからか、本戦出場者に贈られる賞金を受け取らずに南皮を離ていた。

「驚きましたぞ……彼等が呂布殿以外の命令に従うなんて。」

「……(コクコク)」

「あら、あなたの命も聞かないの?」

「ねねだとお願いしないと無理なのです」

「フハハハハハ!我の威光にかかれば造作も――「キャンキャン」む?」

話しの途中で他の犬達よりも一際小さい子犬が袁紹に向かってくる。

「お主は他の者達より小柄だな、それに大分軽いではないか」

足元によってきた子犬を抱き上げると、先ほどよりも驚いた様子の二人が居た。

「他の者に続いてセキト殿まで!?」

「……すごい」

「む?人懐っこそうに見えるが……」

「セキト殿は人を見る目が厳しいのですぞ!」

「袁紹様……いい人だから」

どうやらセキトと呼ばれる子犬は特別な存在らしい。

(それにしてもセキトか……、馬はいるのだろうか)

史実で呂布が董卓から譲り渡された『赤兎馬』を思い出し疑問に思っていると呂布が口を開いた。

「……恋」

「む?それは呂布の真名か?」

「真名……恋」

「ねねは音々音です。呂布殿と二人お世話になりますぞ」

「そうか、では我が真名麗覇を預けよう。二人の働き、期待しているぞ!」

「(コク)」

「おまかせですぞ!」

「だがその前に」

頷いた恋に呼応するように声を上げる音々音、彼女は恋の補佐として働くことに喜びを見出しているが、袁紹は主君として言わねばならないことがあった。

「音々音、お主はしばらく恋の側から離す事とする」

「な、なんですとーーーっ!?」

袁紹の言葉にバンザイをするような格好で叫ぶ音々音、やはり恋と離れるのは相当嫌らしい。

「お主は恋の補佐として大きな欠点を抱えている」

「欠点?そんなの――」

呂布殿にかかればあってないようなもの――そう口にする前に袁紹に言葉を
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