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始まりはこの日から……
妥協的勇者物語
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(アリアハン城)

いやはや……困ったね。
どうして世の父親共は、娘が男に喰われると目くじらを立てて激怒するのだろうか?
娘の自由意思によって喰われたんだから、そこは暖かく見守る器が欲しいよね。

今現在も俺の目の前では、娘を喰われちゃった父親が血管ブチ切れそうな勢いで怒鳴っている。
俺も初めての事じゃないし、普段だったらサラッと適当な事を言って有耶無耶にしちゃうんだけど、今回は相手が悪いからなぁ……

でも仕様がないじゃん、俺モテるんだからさ。
生まれ持った美形と、培った強さの所為で、大抵の女性は流し目一つで心と股を開いてくれる。
まぁ勿論、リップサービスも忘れないけどね。

だからこそ、このアリアハンでも知れ渡った美女で或る、アメリアを娶る事が出来たんだから。
小さいながらもマイホームを持ち、愛する美しい妻との間に可愛い娘を持つ事が出来たのだ。
親父が居候してて邪魔だけどね。

「聞いておるのかオルテガ!?」
「はい、勿論聞いております陛下!!」
聞いてねぇっつの! 長ーんだよ、お前の話は……

あ〜あ……やっぱ拙かったかなぁ? お姫様に手を出しちゃうのは……
でもなぁ……お姫様の方から言い寄ってきたんだしなぁ……
『オルテガ様、外の話をお聞かせ下さい?』ってな感じで話を聞きたがるお姫様の事を、王様も微笑ましく見てたし……

今でこそ魔王バラモスの存在は知れ渡ってるけど、俺が兵士に成り立ての頃は未だ知られてなかった為、モンスターが凶暴化した事の抜本的な解決法が見いだせてなかった。
従って俺達兵士が徒党を組み、モンスター討伐に出るのが通例だった。

アリアハンは島国だから、それ程特殊なモンスターも居なかったけど、魔王バラモスの影響が出始めて、見た事のないモンスターも出現した。
名ばかりの気取った兵士共には、強くなったモンスター相手では敵わなかったので、幼き頃よりモテる為のスキルとして剣術や魔道を高めていった俺の見せ場となった。

お陰で“勇者オルテガ”と呼ばれ、狙っていた以上にモテる事になったのだが……
その結果がコレですよ。
メイドや町娘を喰うだけで止めときゃ良かったのかなぁ?

でもなぁ……密室で男女二人きり。
最初は俺の冒険譚を話してるだけでも、互いのフェロモンにムラムラしちゃうってモンじゃねぇ?
これは不可抗力だよね? 俺、悪くないよね?

そんなこと言ったら殺されるかな?
いや、現状でも死刑なのかもしれないなぁ……
まぁ俺一人だけで罪を償わされるのなら構わないけど、家族にまで及ぶのはちょっと……
親父ぐらいは道連れにしても良いけど、アメリアとアルルは守らなくては!

「さてオルテガよ……如何に責任をとるのだ?」
「はぁ?」
何だ責任って? 喰っちゃっただけ
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