暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは ―全てを変えることができるなら―
第八話
[1/5]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
――――彼女/ティアナ・ランスターは夢を見ていた。
夢の中で自分は先ほどの模擬戦をしていた。
まるで録画した映像を再生しているかのように、全く同じ光景が広がっていた。
そこでティアナは、これが自分の夢であることを自覚した。
(確かこれ、明晰夢って言うんだっけ?)
幼い頃、唯一の肉親である兄が亡くなった時、何度も目にした夢。
夢を夢と自覚し、その気になればその夢を好きに変化させられると言う夢。
幼かったティアナは、大好きだった兄と夢の中で何度も会い、好きなように遊んだ。
一時期、夢の中にいた方が幸せだと思い、睡眠薬に手を付けようとした頃もあった。
それほどまでに明晰夢と言うのは理想を叶えてくれるものだった。
――――だが、ティアナは賢く、そして強い少女だった。
結局、何もかもが夢なんだと自覚したとき、それで本当の幸せにはなれないのだと理解し、そして兄のためにも現実で努力すると言う道を進んだ。
それからは明晰夢なんて見なくなった。
兄が夢に出なくなることは一生ないが、それでも登場する回数はかなり減った。
(久しぶりに見る明晰夢が、まさか直近の出来事なんてね……)
心の中で自嘲気味な笑を零しながら、ティアナは夢の中で朝我から圧倒的な実力を見せつけれた/スターライト・メテオールを撃たれた。
夢の中だから当然の如く痛みはなく、視界を銀色と桜色、二色の色が支配していった。
(で、最後に朝我の顔を見て気絶……ほんと、我ながら酷いわね)
沢山の想いを込めて、今回の模擬戦にティアナは望んだ。
その想いのために、愛機であるクロス・ミラージュや相棒のスバル、スバルの愛機/マッハ・キャリバーを巻き込んだ。
勝つために、徹夜になるまで頭と身体を使った。
知恵熱が出て、スバル達に心配をかけた。
無茶だ、危険だと何度も何度も、朝我に注意された。
そんな日々の積み重ねが、自分に勝利を与えてくれるだろうと思っていた。
いや、たとえ敗北しても、きっと自分たちは認めてもらえると思っていた。
(それがこんなことになるなんて、ホントにアタシ……頭悪いわね)
模擬戦にはボロボロに負け、スバルには心配をかけ、朝我には自分勝手な怒りをぶつけてしまった。
そして脳裏を引っ付いて離れない、朝我の涙。
彼がどんな想いをぶつけてくれたのか、今ならわかる。
(結局アタシは、一人で無茶し過ぎてたんだ)
スバル達がいるとか、そういうことじゃない。
本当の意味で仲間を頼っているなら、本当の意味で一人じゃないのであれば、ティアナは模擬戦であんな無茶はしなかった。
自分の役割も見失
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ