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アーチャー”が”憑依
十三話
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一緒にいるようだが、涙目になりながらアワアワしているため、二人に振りまわされているのだと判断した。

「ううう……やっぱ無理だよう」

「そんなこと言ってたら誰かにとられちゃうわよ!」

「やっぱり無理でしたか。でも、ハルナの言うことにも一理あるです」

先を歩くネギを遠目に見つめながら、三人は作戦会議……の様なものを行っていた。議題は簡単。宮崎のどかにいかにしてネギに告白させるかだ。告白するに際し、この修学旅行というのは絶好の機会でもある。だが、教員として働くネギに二人きりで接触する機会は殆どなく、たまたま遭遇できた今回も突然の事で宮崎には心の準備が全くできていない。元より人みしりの気がある宮崎には、ハードルが高すぎるのだ。

「これはどうにかしないとね……」

「何かいい案があるですか?」

「ふふふ、奴さえ取り込めばチャンスを作ることなど容易良い事よ」

「あうう……」

まるでGの触角の様に盛んに動く早乙女の髪。怪しい笑みを浮かべながら携帯を取り出すさまは、宮崎を不安にさせるには充分だった。後に宮崎は語る。あの時のハルナには、何かがとりついていた。絶対に、と。



「ん? へー、面白そうじゃない。そういうことなら私に任せなさいって!」

「どうしたんですの?」

「ちょーっとね。ねぇいいンちょ、早く旅館に行こ! 私ちょっと歩き疲れちゃったよ」

「怪しいですわね……」

「ハハハ、なーに言ってんのさ!」

「まぁ、予定は消化してますしいいでしょう」

(くーくっく。さーて、旅館に行ったら早速仕込みを始めないとね)




「……すみません」

「いいえ、ネギ先生はよくやっていますよ」

ホテルのロビー、そこではネギが新田先生に頭を下げる姿があった。だが、本当に申し訳なさそうに頭を下げるネギとは違い新田先生はそこまで怒っている様子ではなかった。それは、ネギが謝る理由がネギ自身のものではないためだ。その理由を防ぐのがどんなに難しいものなのか、新田先生はよく知っている。

「それでは、行きましょう」

「はい」

頭を上げ、付いてくる様に促す新田先生にネギは付き従う。これより、ネギが謝っていた理由……3-Aの生徒達の馬鹿騒ぎを諌めにいくのだ。

「いーかげんにせんかぁ!!」

数分後、麻帆良の生徒の天敵。鬼の新田の咆哮がホテル中に響き渡った。その咆哮は、このホテルが貸し切りであったことが本当に幸いだと思えるほどに凄まじいものであった。

「いいか! 就寝時間を過ぎてから部屋から出ていた者はロビーで正座だ!」

「「「えぇー!?」」」

「そういうことだ。皆大人しくしているんだぞ」

修学旅行とは生徒達にとって一大イベントだ騒ぎたくなる
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