暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
第13話 「終盤……だけど」
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 試合は混成チームがバック権を使用し、月村がアタッカーに加わったことで再開された。
 月村はまだまだ初心者であるが、話してみた感想としてはあの中でも頭が切れる部類に思える。小さな狸さんにも何か吹き込まれていたようなので油断は大敵だろう。
 アリシアの実況が進行する中、月村はアタッカー達に何か吹き込む。その間サーブを行うレヴィは、これといって気にした様子もなく、体の至るところでリフティングして時間を潰していた。余談だが、彼女の頭の上には王ちゃまが乗っている。

『レヴィ選手のサーブから試合再開です。またも真・雷光サーブが火を噴く……もとい鳴り響くのでしょうか!?』
「モチのロン、当たりマエダのクラッカーだね♪」

 ……あいつは何を言っているのだろう。
 と、思っている間にレヴィは踵でボールを高々と打ち上げた。彼女はすぐさまあとを追っていく。無論、頭の上に居た王ちゃまも一緒にだ。チラリと敵コートに視線を送ると、アタッカー達は強気な表情を浮かべていた。

「ボクと王ちゃまでオーバーレイ! 裏七七式、極・雷光サァァァァブ!」

 レヴィと王ちゃまのふたり掛かりで放たれた雷光は、先ほどのサーブより格段に高い威力を誇っているように見える。全国ランカーが初心者に向かって放つには、正直大人げない。まあここに至るまでに、大人げないことは多々あったのだが。
 混成チームは慌てずに行動を起こす。
 まず月村が氷の盾を何重にも展開して雷光の威力を落とすが、相殺することができなかった。それを見たバニングスは、己の拳に魔力を集中させ勢い良く振り抜き、雷光を上に打ち上げる。ヴィータが宙を駆けて後を追い、最上段からデバイスを使った一撃を叩き込む。

「どんな球が来ても……あれ?」

 避けようとしたレヴィが突然へたりこんでしまった。ここまでの状況を振り返るに、おそらく魔力が切れてしまったのだろう。
 流星のような返球が迫る中、レヴィは諦めたように立ち尽くす。そこに現れる小さな影が現れる。

「王ちゃま!?」

 そう、小さな影の正体は王ちゃまだったのだ。きっとシュテルに言われた言葉を守ろうと、自分の身を犠牲にしてレヴィを守ろうとしているのだろう。
 王ちゃま……お前って奴は。
 と想いを馳せていたのだが、あまりの返球の威力に王ちゃまは弾き飛ばされレヴィにも直撃した。ふたりがノックダウンしたことで、相手チームに一挙に6点もの点数が入る。

「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
「……無視ですか?」

 いや、無視はした覚えはないんだが。気が付いたら傍に立っていたし、視線を向けてみても反応がなかったから黙ってただけで。

「今度は何の用だよ?」
「いえ、大したことではありません。ただ……あなたも見守って
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