【D×D】来いよ掃除男!理論なんか捨ててかかって来い!
[1/5]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
掃詰箒という男はいつも何かを考えている。
だがその思考回路は、いつも周囲の想像の斜め上を行く。
例えばこんなことがあった。
ライザーとリアスのレーティングゲームが行われた際に、サーゼクスが気まぐれで箒を観戦席に招いたのだ。
サーゼクス・ルシファー。悪魔界のトップ4である4大魔王の一角にしてリアスの兄。悪魔界の特級VIPにして権力者であった彼がそのような席を設けたのは、単純にリアス伝手に聞いた箒という少年が興味深かったからに他ならない。
箒はそこでゲームを物珍しげに観戦しながら、サーゼクスと雑談をした。
悪魔界のトップに呼び出されているという下手をすれば死をも覚悟しなければいけない事態でありながら、実に呑気である。本来は人間が悪魔に呼び出されること自体が異常な訳だが、そこはそれ、魔王としての公務に退屈した暇人の考える事。箒もたまたまその日は暇だったのでグレイフィアの案内でノコノコ付いてきてしまった訳だ。
内容は堕天使と悪魔の境が伝承で曖昧になっている理由や、実は堕天使と悪魔には本質的に違いがないんじゃないかと言う独自理論など。既存の価値観に縛られない自由な発想をサーゼクスは気に入り、話は弾んだ。そしてその折、ちょっとしたプライベート話になった時の事……。
「へー。じゃあさっきのメイドっぽい人が奥さんなんですか。……ぶっちゃけ趣味ですか?」
「私がやらせたわけじゃないから本人の趣味という事になるかな?」
「悪魔ってのは奇人変人の巣窟ですね」
魔王の妻である「銀髪の殲滅女王」を唐突に奇人変人の仲間に追加する箒。
しかもその物言いだとサーゼクスやリアスもその中に含まれている。見る人が見れば悲鳴を上げて彼の口を塞ぎたくなる光景だ。
が、サーゼクス的には悪魔は元々秩序の反対にいる存在という価値観があるため「悪魔だからね」と良い笑顔で返していた。
ちなみに控えていたグレイフィアは、無表情を貫きながらも内心では変人扱いされたことにショックを受け、必死で訂正したい気分になった。
= =
「ちなみにこの戦い、君はどちらが勝つと思うかね?」
「グレモリーはもう勝機を逃してるんで、よっぽど運が良くないと負けでしょう」
さらりと級友の敗北を予見する箒に、サーゼクスは興味深そうに目を細めた。
彼が気になったのは妹が負けると断言されたことではない。贔屓目に見ても元々彼女の勝機は薄いし、客観的に見て彼の言う事は正しい。サーゼクスが気になったのは、「勝機を逃してる」という部分だ。
レーティングゲームは佳境に入り、既に双方で脱落者が出ている。だがグレモリー眷属は全体的に見ればかなり善戦していたといえるだろう。にも拘らず、彼はそれが不十分だったと言っているのだ。あの戦いの中にあった勝機を妹が見
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ