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グランバニアは概ね平和……(リュカ伝その3.5えくすとらバージョン)
第16話:三手先行くお父上
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ー様とは思えませんが?』
言外に“口を出すな”と含まれるウルフ君の言葉……
(ポピー)にそんな事が通用すると思ってるのか?

「キサマ……押し倒すぞコラ! そして巧く体位を入れ替えて、まるでお前が襲いかかった様な状態をマリーとリューノに目撃させるぞ!」
『安心しろ。その時はお手を煩わせる事なく、俺の意思で襲いかかってやる! リュカさんを敵に回すくらいなら、娘3人を敵に回す方が得策だからな』

凄いな……(ポピー)相手に一歩も引かずやり合っている。
これでは情報を聞き出すのは無理なのではないだろうか?
その事を瞳に携え、(ポピー)に無言で問いかける。

「なるほどね……やっぱりお父さんは大部分で関与してるのね」
しかし俺の問いかけは無視し、独自の解釈でウルフ君に揺さ振りをかける。
突飛ではないかと思うのだが、彼女には自信があるのだろう。

『……………』
「……………」
「……………」
そして3人共喋らなくなった。

暫くの沈黙が続き『はぁ……』と溜息を吐いたウルフ君が、誰も居ないだろうに周囲に視線を巡らせて話し出した。
『絶対……本当に絶対誰にも言うんじゃないぞ! ヘンリー陛下にも口外するんじゃないぞ! 俺はあの人の口の堅さを信じてないからな……』

同盟国とは言え、外国の国王に対し……また、その王子に対して使用する台詞ではない。
しかしウルフ君の目は真剣で、我らの口を閉ざさせる為に必死になっている。
流石の(ポピー)も“それは貴方次第じゃなくて?”とか、からかう素振りは見せず無言で頷いた。

どうやら(ポピー)もこれが只の悪巧みでないと感じた様だ。
下手すると国家間の問題に発展しかねない事柄かもしれないのに、安易に尋ねて大丈夫なのか?
俺は(ポピー)とウルフ君を交互に見ながら、今この場に居る不幸を嘆いている。

ヘタレと呼ばれても良い……
父上、助けて下さい!!

コリンズSIDE END




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