暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン17 冥府の姫と天球の司
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「修学旅行ぅ?」
「そ。修学旅行だってさ」
「そっかー、もうそんな時期かー………」

 とある午後、一定の距離を置いて周りからちょいちょい睨んでくる白服相手にガンつけなから弁当を食べていると………どうでもいいけど、弁当って難しいよね。朝作って昼食べる関係上どうしても冷えるのは避けられないし、肉は炒め方によっては脂が固まりになって見た目が大変よろしくないことになる。保温機能付きの弁当箱ぉ?そりゃまあ憧れの1つではあるけど、んな金がどこにあるってんですかねえ奥さん。奥さんって誰だ。だいぶ話がずれたけど、とにかく弁当を食べていたのだ。するとその隣に当然のような顔をして夢想が腰を下ろしてドローパンの袋を開いた。ちなみに中身は人参。夢想にしては珍しくそんなに引きがよくなかったほうだろうか。

「で、どこに行くんだっけ」
「えーっと、クロノス先生がイタリア。ナポレオン教頭がイギリス。樺山先生がカレーの本場インドに行きたいって言ってた気もするけどいつも通り黙殺されたから、この二つが今のところ最有力候補かな、だってさ」

 ふむ、イタリアかぁ。本場ピザ、もとい、ピッツァ(巻き舌)の作りかたとか教えてくれるいい講師はいないだろうか。スパゲッティの茹で具合に関して本場の人と意見交換してみたいし。いいなぁ、イタリア。でもインドもいいなあ。よくわからん香辛料とかすっごいいっぱい入ってる本場なんちゃらカレーとかも作れるようになったら料理のバリエーションがぐっと広がることは間違いない。日本人の舌に合うかどうかが問題だけど、少なくとも僕の舌には合うからまあ別にいいだろう。イギリス………は、うん、まあ。教頭には一人で行ってもらおうかな。

「………」

 そんなことを考えていたら、それが顔に出ていたのか夢想がジト目でこっちを見てきた。

「清明、ここはデュエルアカデミアだよ?I2(インダストリアル・イリュージョン)社のペガサスさんの故郷のアメリカならまだわかるけど、特にイベントも聖地もない外国行ってどうするの、だってさ」

 あ、はい。返す言葉もございません。

「となると、そろそろ誰かが別の候補地を出してくるころかね」
「そうなんじゃない、なんだって。どこに行くにしても、楽しみだね」

 楽しみ、か。どうだろうか。こういうイベントはできるだけ大勢でワイワイやる方が好きなんだけど、僕の友達はほとんど光の結社入りしてるから誘いづらい。そういう意味では、来年とかに引き伸ばしてもらう方がいいなあ。さすがにその頃には光の結社も片付いてるだろうし。

「それでさ、清明」
「うん?」
「その修学旅行なんだけど」
「うんうん」

 何気なく聞きながら、卵焼きを1つ口に放り込む。む、ちょっと砂糖多かったかな。

「私と、一緒にどこか、行かない
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