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IF物語 ベルセルク編 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第二話 アルテナ星域の会戦
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レには例の指示は徹底しているのか?」
「大丈夫だ、敵の指揮艦クラスを集中して狙えと命じてある」
エーリッヒが指揮官席で頷いた。
「時間が無い、ミッターマイヤー艦隊が奇襲を受けたと知れば必ず増援が来る。おそらくはロイエンタール提督だろう。厄介な相手だ、彼が来る前にあの艦隊を叩き潰す。少しでも敵を混乱させてくれ」
冷静な声だった。いつもそうだ、どんなに勝っていても興奮する事、感情を動かす事は無い。兵達はそんなエーリッヒを何時の頃からか“ビスク・ドール”と陰で呼び出した。陶磁器のように冷たい、人形のように表情が変わらない。

「ベイオウルフ、被弾しています!」
オペレータが叫ぶような声で報告してきた。驚いて“間違いないか”と確認すると“間違いありません”と憤然とした口調で返してきた。嘘吐き呼ばわりしたわけじゃないぞ。時々オペレータにはこういうタイプの男が居る。しかし、ベイオウルフが被弾?

「ウォルフガング・ミッターマイヤー提督戦死。敵艦隊にそう通信をしてください」
エーリッヒの指示にオペレータが戸惑った様子を見せた。しかしエーリッヒが無言で彼を見詰めると慌てて通信をし始めた。
「信じますかな?」
リューネブルク中将が問い掛けるとエーリッヒが冷たい笑みを浮かべた。

「信じません、謀略だと思うでしょう。でも不安にはなります。中級指揮官、下級指揮官は現在の苦境を脱する前に部下達の不安を払拭しなければならない。さっきまで勝ち戦だったのに……、天国から地獄ですよ」
「……」
エーリッヒがクスクスと笑う。リューネブルク中将の顔が強張っている。俺も同様だろう、オペレータは蒼白だ。

「ミッターマイヤー提督が無事なら通信で姿を皆に見せる。声だけなら負傷だ、声も出ない様なら戦死か人事不省だろう。アントン、オペレータに最優先で確認させてくれ」
「分かった」
オペレータに指示を出すまでも無かった。俺がオペレータに視線を向けると“直ぐかかります”と言って彼は敵の通信を傍受し始めた……。




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