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バカとテストと白銀(ぎん)の姫君
第二章 彼と彼女の事情
第十一話 千早の事情
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___再び9:27頃 新校舎二階 階段付近_____
「先生、Fクラス中村行きます!」
「分かりました、承認します。」
「嘘だろ、何でこんなところにFクラスが……」
焦っているBクラスの人。でもしっかりと仕留めさせてもらおうじゃないか!
「「Fクラス  中村啓太   数学 79点」」
「「Bクラス  鞍里海人   数学 38点」」
新先生が広げてくれた召喚フィールドと、中村君の宣戦布告のお陰で相手が逃げ出した場合、問答無用で補習室に連れて行かれることは間違いない。
でも、Bクラスなのにこの点数って一体なに?
「まさか、僕よりもバカなのにBクラスに所属してるとか?」
「「「お前と一緒にしてやるなよ!!」」」
「そんなの言ったって君たちも同じでしょ?」
「くっそ、旧校舎の階段から何とか逃げられたと思ったら、こんな所でバカどものせいでアウトかよ……」
額に手を当て、天井を仰ぎながら彼がボヤク声が聞こえて気がした。
「容赦はしねえよ、喰らえ!」
中村君のツルハシ相手の胸に突き刺さる、そして相手の得点はゼロになり……
「戦死者は補習!!」
そう、かの有名な鉄人に拉致られていったのであった。
「ああいうふうには成りたくないよな……」
「そうだな…」
何もかも諦めてしまったような、死んだ魚のような目とでも言おうか、とにかくそんな彼を、敵であったにも関わらずつい手を合わせて、合掌の一つもしてあげたくなるほどの同情が胸にこみ上げてくる。
「みなさん、お手をお合わせください。『合掌』」
「「「合掌。」」」
そのとき僕らは疑わなかった、僕らが情報戦の中心となり妃宮さんにご褒美として頭を撫でられることを。
「いくよ、僕らの勝利と司令の為に!」
「「イエッサー!!」」
士気は高まる一方だった。
____9:45_____
Cクラス参戦

____9:49 新校舎_____
僕はそのときたまたまトイレにいた。
外から聞こえる怒号、助けを求める仲間の声、そして……
「くそっ、何だって吉井の野郎はこんな時に居ねえんだよ!俺たちと一緒に補習室に来いよ!」
地獄(補習室)へのお供として僕を呼ぶ仲間(仮)の声。
(絶対今戻ったら僕までやられちゃうよ!?でもここに引きこもっていたとしても見つからないとは限らない……)
「残りのバカどももやってしまうのよ!!」
「嘘だろ……」
「「了解!!」」
「やめてくれぇええ!!」
「戦死者は補習!!」
「このまま一階に行くわよ!」
「「応っ!!」」
(なんとか助かった?)
バタバタと階段を下りて行く大きな音が聞こえたのでトイレの入り口からちらりと周囲の様子を確認する。
廊下に誰もいないことが分かると、僕は大慌てで新校舎から渡り廊下を伝い旧校舎側に逃げ込む。
そのとき階段
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