第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
七月二十四日:『幻想殺し』
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か。何にせよ碌なモンじゃねェだろうが……まぁ、慣れたモンか」
嘲笑うように口角を吊り上げ、歩き出す。歩を進める。殉教者のように、真っ直ぐに。
暗がりの先、そこに倒れ伏す──────人影へと。
「…………何だ、男かよ。無駄足こいたなァ、こりゃ」
実に残念そうに、嚆矢は息を吐いた。目線の先には、路面に倒れ付した……雲丹のような頭の、高校生くらいの男。
それに目に見えて、嚆矢は落胆した。実に、実に面倒臭そうに。
取り敢えず生きている事は確認し、携帯を取り出して救急に連絡しようとして。見れば、右腕の怪我がやけに酷い。
まるで、刃物で何度も斬られたように。直ぐ様、火織の刀の腕前に思い至った。
「……仕方ねェなァ、野郎に命なンざ、分けたくねェンだが」
亜麻色の髪を掻きながら、その右腕に『治癒』の神刻文字を刻む。これで、少しはマシになるだろうと────
「なッ────────!!!?」
刹那、驚愕する。打ち消されたのだ、神刻文字が。一瞬、『あれだけ世話になった術式をしくじったのか』とも思った。だが、二度、三度と繰り返せば、流石に判る。
「コイツ……『魔術を無効化』したのか!」
その、明白な事実に。そして、あからさまな『異能』に。
その時、気付く。傍らに落ちていた、学生証に。この学園都市の、第7学区にある、『とある高校』の学生証に。そこに記載された────
「上条……当麻」
後の人生を変える、その名前に──────………………
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