第一部 学園都市篇
第3章 禁書目録
24.July・Midnight:『Saint's』
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iversity occult sciences 《ミスカトニック大学・陰秘学科》』へと飛んだ。
「『ティンダロスの猟犬』……在った在った、何々……『角度から現れる狩猟者』か。成る程ねぇ」
『妖蛆の秘密』が呼び出したからクトゥルフ神話の物だろうと言う考えは、見事に当たっていた。
──因みに、黒子ちゃんはコイツを古都から発生した『幻想猛獣《AIMバースト》』という事で結論付けたらしい。
後、俺の魔術は『制空権域』の能力を、何等かの事情で誤魔化して申告したと。魔術を認めない現代っ子って助かるわ。
何時しか、魔術師の顔で。取り出した煙草を吸いながら携帯の画面を読み耽る。壁に寄り掛かりながら万色の紫煙を虚空に燻らせ、缶珈琲を啜って。
「しかし、あんな化け物がただの犬コロとは……勘弁してくれ、二度とは会いたくねェぜ」
吐き捨て、珈琲を啜りながら……やけに早くフィルターまで燃えた吸い殻を足下に投げる。
後は、火を躙るだけ────というところで、吸い殻を見失った事に気付いた。
──あれ? っかしいな、何処行った?
暫く目を走らせるも、見当たらない。しかし、だからなんだと言うのか。側溝にでも跳ねていったのだろうと、早急に思考から放り出して。
やけに早く飲み干してしまった缶珈琲を、屑箱に放り込んで歩き出す。
「…………駄目だ駄目だ、こう言う時に別行動とか、どんな死亡フラグだ」
何故か、遠回りしたくなる気がして。しかし、先程迷った経験から、携帯の道案内を遵守して。
人っ子一人居ない道を、訥々と。次第に強くなる違和感を、二本目の缶珈琲で誤魔化しながら。
「────止まれ、吸血魔術師」
鋭く掛けられた声、鼻に感じる焼けた香気。嗅いだ覚えがある、銘柄も知らぬその煙草。
曲がる筈だった三番目の角、そこから現れたのは……猟犬などではなく、もっと性質の悪い『魔女狩り』だった。
「良く良く、縁があるな。全く、神も随分な酔狂をなさる」
「…………ああ、ホント、俺って奴ァ────」
頭を抱える。まさか、また出会うだなんて。信じてもいない神の存在すら感じてしまいそうだ。
「なんて、百分の九十九なんだろうなァ……こんなに早く、再戦が叶うなんてよォ!」
無論、神は神でも『外なる神』だが。
そう、『正体不明の怪物』が吼える。持っていた缶珈琲を媒介に、玉虫色に煌めく漆黒の偃月刀を呼び出して。
「ほう……少しはマシになったか。今度は、あんな決着にならないことを祈るよ」
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