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リリカルなのは
パパリエッティ

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「パパ!」


 笑顔を浮かべながら突撃してくる小さな影。
 ぼふん、という音を立てて、抱き付いてきた。
 衝撃によろめきながらも、しっかりと抱きとめる。


「どうかしたのかい?ヴィヴィオ」


 何の用かとヴィヴィオに尋ねる。
 ヴィヴィオは俺のことをパパと呼ぶ。
 これも原作ブレイクになるのかね?
 パパ呼ばわりがむず痒いが、いい加減慣れてきた。
 娘といえば、ナンバーズやスバルやはやてたちもいるが、彼女たちはパパと呼んでくれない。


「はやてママが、ご飯できたよ、って」

「おお、もうそんな時間か。では、一緒にいくか」


 原作と違い、ヴィヴィオは、なのはやフェイトではなく、はやてをママと呼んでいる。
 年頃の娘さんが、ママ呼ばわりは嫌がるだろうと思ったが、意外とすんなりと受け入れられているようだ。
 何故か、ウーノが対抗して、ウーノママと呼ばせていたのは気になるが。
 だから、ヴィヴィオには2人のママがいることになる。
 微妙なところで原作に似ることになった。
 まとわりついてくるヴィヴィオを抱き上げて、居間へと急ぐ。


「ドクターおそ〜い!」


 リビングにつくと、スバルからダメ出しを受けた。
 ハラペコ魔人の彼女は、御馳走を前にうずうずしているのが、はた目からも分かる。
 なだめにかかっているギンガも、お腹が鳴って台無しだ。
 顔を赤らめちゃって、俺の娘がかわいすぎる!
 慣れたとはいえ20人近くが一堂に会する光景は、圧巻である。
 八神家に居候している身としては、はやてに申し訳ない気持ちでいっぱいだ。
 とはいえ、はやて当人は、大家族は夢やったんよ、と嬉しそうにしていたのが救いだ。
 スカリエッティ印のリフォームの結果、八神家は魔改造されている。
 この大食堂もそのひとつだ。


「さて、ジェイルも着たし、これで全員そろったね。では――いただきます」


 はやてに続いていただきます、が唱和する。
 パパ呼ばわりは慣れたが、ジェイル、と呼ばれるのはまだ違和感がある。
 そう、はやては俺のことを「ジェイル」と呼ぶようになったのだ。
 ヴィヴィオが、はやてママと呼ぶようになってからだ。
 理由を以前尋ねたが、顔を赤らめてはぐらかされた。
 何故か、ウーノが悔しそうにしていた。
 一度、ウーノから、「じぇ、じぇいる……やっぱり無理!」と言われたことがある。
 照れ屋なのかね?
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