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リリカルなのは
眼帯の理由

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 チンクの右目には、原作通り眼帯がある。
 この眼帯は俺の罪の証だ。
 なぜ、守ってやれなかったのか、と未だに悔やんでいる。
 チンクは変わってしまった。変わってしまったんだ。
 原作知識が何の役にも立たないことを、俺は痛感したのだ。
 そう、彼女は――――


「ふーッははははは!邪王心眼を持たぬ者にはわかるまい」

 
 ――――中二病になってしまったんだよ!!
 別にゼスト・グランガイツと戦ったわけでも、右目を負傷したわけでもない。
 地球、それも日本に来た弊害だった。
 アニメに出会ったチンクはどんどんはまり出した。
 そのときは、昔の自分を見ているようで、微笑ましかった。
 まあ、身長的にも一番アニメが似合うようなあ、とも思ったり。


 いまから思うとそれがいけなかった。
 放置していた間に何の化学反応があったのか……ご覧のありさまだよ!
 俺の優秀すぎる頭脳を使っても理由はわからない。
 さっすが日本だぜ。
 げに恐ろしきはオタク文化の感染力、か。
 眼帯?ファッションだってさ。


「チンク姉ェ……」

「ノーヴェか。私はチンクなどではない。シュトルテハイムラインバッハ三世と呼ぶといい」

 
 チンクに一番なついていたノーヴェがめそめそしている。
 一緒にはまれればよかったんだが、ノーヴェは中二病にならなかった。
 すまん、ノーヴェ。
 ついていけない人間がいるその一方で、


「フッ、シュトルテハイムラインバッハ三世よ。円環の理に導かれて、共にシュタインズ・ゲートへ旅立とうではないかッス」


 ノリノリで合わせてくる人間もいる。


「ウェンディ!」


 ウェンディとかね。
 親の仇を見るような目でセインを見るノーヴェがいた。
 一緒に遊べないのが不満なのだろうね、きっと。


「ウェンディネアではないか。エル・プサイ・コングルウ」

「える・ぷさい・こんぐるうッス」


 どうやらシュタインズ・ゲートにはまっているらしい。
 面白いもんね、シュタゲ。
 娘たちの成長?に目頭を押さえながらその場を去るのだった。

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