暁 〜小説投稿サイト〜
魔法薬を好きなように
第8話 物事っていうのはやっぱりねぇ
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ランシー家に残っていた魔法薬の作り方から、実験を繰り返しているが、思ったほど簡単ではないことがわかってきた。
魔法薬で魔法を使って作る時によくあることだが、魔法の威力の増大か、魔法の効果を発揮するのに精神力の消耗を少なくできるはずなのが、これが不安定なことだ。魔法を使う人間が安定的かとか、水草や薬草から成分の抽出量を安定させることができるかとか、周辺にまく魔法薬の量が一定しているのかというところも考えられるのだが、安定させる方法が現在のところが不明だ。
まあ、なんでも良いから魔法力を増大させるだけなら、これでもよいのかもしれないが、どうも、作ったメイジの水魔法の能力は増大とか精神力の消費はできるようなのだが、作ったメイジ以外では、効果が恐ろしく低いことだ。これも魔法薬を作る際にたまにある現象だ。程度の差はあれ、こういうことは魔法を使って魔法薬を作る時には発生することも多いのだが、今回ほど極端なのも珍しい部類に入るだろう。これだと、まず売り物にならない。だから、モンモランシ家に作り方は残っていても、世間では噂としてもこの魔法薬の存在が残っていなかったのも不思議ではない。
ただし、問題はもう一つ。

「モンモランシーの作った魔法薬ではできなかったけれど、昨日渡しておいた俺の魔法薬も同じような現象だったかい?」

「ええ、そうなのよ。錬金を試してみたのだけど、普段できる簡単な錬金も本当にイメージしているだけの量がつくれなかったわね」

「って、ことはやっぱり?」

「そうねぇ、水の系統は魔法力の増加、もしくは精神力の必要性を下げるけれど、他の系統の魔法は魔法力の低下か、精神力より多くするってことよね」

「だよな。俺の方はモンモランシーの魔法薬で錬金も、サイレントも、ファイア・ボールも威力や大きさが小さくなっていたからなぁ」

「自分で作った魔法薬ではそんなことないのに、ジャックの魔法薬では同じようなことってことは、自分で作った魔法薬で水系統の魔法の能力関係だはあげられるけれど、他の系統は上がらない。そして他のメイジが作った魔法薬では、水系統の魔法力の増加の傾向は弱くて、さらに他の系統は減少させてしまう」

「って、これって、完全に禁制品扱いだよな」

「そうねぇ」

魔法薬で魔法の威力の増大などの研究は、禁じられたり、そうでなかったりと時代によってかわっているが、魔法の威力を減少させる研究は禁じられている。なぜならメイジの権威の源は魔法によるものだから、魔法が封じられたら、メイジと平民の差の縮小、もしくは完全に差がなくなり、現在のメイジが貴族としていられる根拠が薄れるからだ。
魔法の力による平民の支配が、本当はいつから始まったのかは不明だが、始祖ブリミルが降臨してきたころからでも不思議ではない。まあ、6000年以上も前
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ