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雲は遠くて
12章 ザ・グレイス・ガールズ (1) 
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サークルは、気分がのれば、バンドを()んだり、
また(あら)たな気分で、メンバーを集めてみたりという、
フリーバンド制で、(つね)に、
10組くらいのバンドが、楽しく、音楽活動している。

なぜ、女子が、38人もいるのかとえば、
コーラスで歌うのが好きだという女の子、
ダンスが好きだという女の子、ひいきの応援が好きだからという女の子、
など、そんな女子の部員も多かったからであった。
なぜか、学内でも、きれいな女の子ばっかりが集まってきていた。
そのため、たまに、男子学生が、そんな女の子を、目当(めあ)てに、
入部を希望してくるので、(こま)ることも、度々(たびたび)であった。

そこで、サークルの幹部の、幹事長、大学3年の矢野拓海(やのたくみ)と、
1年生の岡昇(おかのぼる)と、
2年生の谷村将也(たにむらしょうや)との3人は、
学生会館、東棟(ひがしとう)の11階にある、
ミュージック・ファン・クラブ(MFC)の、部室の、
E1107に、3時間ほど、(こも)って、その打開策を、
頭を(しぼ)って、考え出したのであった。

≪つづく≫ 
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