暁 〜小説投稿サイト〜
雲は遠くて
6章 信也のマンション (その3)
[2/2]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
ミッシェルでギターやっていた、アベ・フトシが好きでさ。
いまでも、おれのギターの師匠(ししょう)さ。
10歳のガキだったおれは、ませたガキで、
アベさんのようなカッティングのできる
ギターリストになりたいと思ったものさ・・・」

ピンナップの写真の中で、1番左(ひだり)のソファに(すわ)
アベ・フトシを、信也は、まぶしそうに、
いまも、(あこが)れを込めて、見つめる。

「アベさん、かっこいいもんね。なのに、死んじゃって、かなしいわ」と美樹。

「うん、とても、かなしい」と真央。

「今夜は、美樹ちゃんも、真央ちゃんも、時間空()いてるかな。
おれ、ふたりに、成人のお祝いをしてあげたいんだ。
美樹ちゃんは、この10月に、誕生日迎()えたばかりだし、
真央ちゃんは12月だったよね、誕生日」

「うそ、しんちゃん、うれしいわ。時間なら、だいじょうぶよ」と美樹は、
(よろこ)んだ。

「しんちゃんって、すっごく、話のわかる兄貴って感じ。わたしもだいじょうぶよ。
今夜は楽しみましょう!」と真央は、信也の手を思わず、
(にぎ)って、抱きついた。

美樹も信也に抱きついた。

「そうか、そうか、よし、今夜は、(まち)のどこかの店に行って、
みんなで、楽しく、お祝いしよう。
この(さい)だから、おれの就職祝いも、一緒ってことで。
おれの次の誕生日は、来年の2月だけど、
それも、一緒(いっしょ)に、祝ってもいいや。
美女、ふたりと、楽しめるなんて、おれも、最高!」

そんな話で、()りあがった、三人は、にぎやかに、わらった。

≪つづく≫ 
[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ