「外伝 銀河英雄伝説~新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)」の感想


 
悪い点
なんかエーリッヒは満州事変の首謀者石原莞爾らを処罰しなかったことで日本軍は統制を失ったと考えてるみたいですが、これは不勉強だと思いますね。
石原たちが満州事変を起こす以前に張作霖爆殺事件でも、日本は首謀者の河本大作や村岡長太郎らを軍法会議にかけることもなく行政処分という軽い処分で済ませていました。
また陸軍では満州事変前に三月事件というクーデター未遂事件が起きていましたけど、陸軍は本来なら軍記に照らして厳正に処罰すべきなのにクーデター計画に関与した者には陸軍首脳部も含まれていたため、首謀者・関係者を処罰せず緘口令を布いて事件を隠したという経緯があります。
そして満州事変はその三月事件にも参画した永田鉄山ら一夕会という幕僚グループが周到に準備した計画であり、満州事変当時は彼ら一夕会系幕僚が陸軍中央の主要実務ポストを占めており、既に手遅れでした。

奴を処罰しておけば~なんていうのなら、張作霖爆殺事件のときに河本や村岡を軍法会議にかけて処罰するべきでしたし、三月事件のときに関係者たちを一斉に処罰しておくべきだったんですよ。満州事変がきっかけじゃないんです。
 
 
作者からの返信
作者からの返信
 
感想有難うございます。
私はこう考えています。張作霖爆殺事件の時は田中内閣が総辞職し村岡関東軍司令官を依願予備役、河本を停職処分にしています。そして河本は翌年には予備役という形で軍を追われている。キャリアを断たれたわけです。厳正とは言い辛いですが処分はしているのです。三月事件は未遂だったために無かったことにした。
それに比べると満州事変は出先の関東軍が独断でやったことを認め首謀者を処罰していません。板垣も石原も栄達していきます。このことが結果を出せば良い、中央のいう事など聞く必要はないという意識を陸軍の出先機関に持たせたと思います。満州事変はきっかけではなかったかもしれませんが決定打になったと思います。

それと永田鉄山ですが彼は満州事変については時期尚早とみていました。そのことは関東軍参謀であった片倉 衷が証言しています。