「皇太子殿下はご機嫌ななめ」の感想

tokuno
tokuno
 
悪い点
〉仮に一ディナールとして、五十万人で五十万ディ
ナール。
〉百なら五百万ディナール。とゼロがドンドン増え
ていく。

五百万ディナールではなく、五千万ディナールでは?
 
コメント
この世界では、エル・ファシルの同盟軍は自らを盾にして住民を逃がしています。
このような状況で「エル・ファシルの英雄」と呼ばれるのは、死んだ、もしくは捕虜になった将兵であって、ヤンではないと思うのですが、ヤンはどういった経緯で「エル・ファシルの英雄」と呼ばれるようになったのでしょうか? 
作者からの返信
作者からの返信
 
亡くなった方たちを英雄と賞賛するだけでは、足りなくて、やっぱり生きてる英雄が必要なんじゃないかなと、思ったんですよね。
そこでちょうどいい位置にいたヤンを、英雄として祭り上げたと。
自らを犠牲にして、民間人の盾となり、死んでいった者達が、英雄ならば。
友の、仲間達の死を乗り越えて、脱出を敢行した者もまた、英雄である。
とまあ、こんな感じです。

本当ならヤンと皇太子が会うまでの間に、どこかでヤンの立場を推察する場面を、入れなければならなかったんですけど、うちの皇太子様は分かってても口にしないだろうな~と考えたんです。
理由はどうであれ、民間人を脱出させたのは事実で、英雄には違いない。
そう言うだろうと思ったもので、どこかで書かなきゃと思いつつ、書き損ねていた場面なんです。

この話の中では現在、ヤンは作られた英雄であって、本物の英雄では無いんですよ。
否が応にも英雄を演じなければならない立場になってしまったんです。
そしてアッテンボローの父親が書いた記事の中に、皇太子は理想的な専制君主を演じている。と書かれています。
この話を考えたときに、この言葉を核に採用しました。

自ら望んで演じている皇太子と、望まないままに演じる羽目になってしまったヤン。
この二人は実のところ対照的で、ヤンが皇太子の事を推察するように、皇太子もヤンの事を推察する必要があるんですけど、これもまた書き損ねているんです。
その為にエル・ファシルで同盟軍に、死兵となってもらったのに……。
この二人を対照的な存在だと知らせるために。
割り切って書かなきゃいけなかったのに、どうしようかと迷い続けて書き損ねているんです。